その後、店が昼休みに入ると、兄に呼び出された。しんとした店の中で、僕は延々と説教された。まさに小一時間だった。僕には悪いことをしたという意識がなかったし、聞く耳なんて持てなかった。ときたま冗談を言って、なんとか場をなごませようと思った。 「…

僕はトイレを出て、ベランダに行き、洗濯物を干し始めた。洗濯物を干すのが、僕の仕事の一つなのだ。兄がまたやってきたら、洗濯物を干すのに忙しいと言って追い返すつもりだった。そうして、やっぱり兄はまた来た。競歩選手顔負けの早歩きで来た。バットで…

僕はとりあえずトイレに隠れた。新聞を読みながら小便をした。だけど新聞の内容は頭の中をするすると通り抜けていった。しばらくすると、またあの足音が聞こえてきた。やっぱりまた来た。それは死の予感に満ちた足音だった。僕は死ぬのかもしれない。兄は家…

昼、12日の新聞を読んでいたら、兄がドスドスと殺人的な足音を立ててやって来、「店を手伝え。皿洗いをしろ。今すぐ。さっさとしろ」と言う。顔が鬼みたいだった。いや、鬼以上の、ダースベイダー的な何かだった。有無を言わせない命令口調に腹が立ったので…