インフルエンザウイルス


 梨華ちゃんがインフルエンザにかかってラジオをお休みしたとか。僕は親兄弟が病に倒れてもそんなに心配しなくて、むしろそのまま死んで保険金下りないかなとか思ってしまうようなひどくて犬畜生以下の人間なんだけど、梨華ちゃんは心配です。心配しすぎて僕が倒れてしまいそうなくらい心配です。僕は血をわけた親兄弟よりも梨華ちゃんの方が好きで大事でいとおしいみたいです。


 梨華ちゃんのかわりに僕が、インフルエンザにかかればよかったんだと心底思う。そしてそのまま死んでしまえばよかったんだと思う。梨華ちゃんの苦しみを僕が全部肩代わりしたい。なんで僕は無駄に元気なんだろう。梨華ちゃんが元気なのは無駄じゃないけど、僕が元気なのは無駄だ。だれも幸福にしない。むしろ不幸にさせるし、邪魔になるだけだ。梨華ちゃんのインフルエンザウイルスを一つ残らずストローで吸い取りたい。そのストローをどこに差し込むかっていう問題はあるけど、とにかく吸い取りたい。「どこに差し込むか問題」はいつものように下品なシモネタに発展しそうだからその問題については深く考えないことにする。ともかくどこかに差し込んで吸い取る。
 いいんだ、梨華ちゃん、お礼なんて。僕がやりたくてやってることだ。むしろ嬉しいんだ病気になれて。梨華ちゃんが元気になって嬉しいんだ。これからも、何かあったら僕を呼んでください。ストローを持って梨華ちゃんのもとへゆきます。梨華ちゃんのありとあらゆる病原菌を吸い取り、ガン細胞さえも吸い取り、さらには心の内にある苦しみや悩みや悲しみなども吸い取ってみせる。梨華ちゃんを苦しめる有形無形のもの全てストローで吸い取る。それらは僕がかわりに背負って、そして僕がかわりに苦しむ。梨華ちゃんは何も悩まず苦しまず、いつも笑顔で生きてください。そしてファンのみんなを幸せにしてあげてください。


 でも、そんなことは実際にはできないから、僕はただ祈っています。梨華ちゃんの病気が、はやくよくなりますように。