お母様に、「あなたは石川梨華ちゃんに似ているわね」と言われた。お母様は、安達祐実が好きだったときには「祐実ちゃんに似てる」と言ったし、広末が好きだったときには「広末に似てる」って言ってたから、あんまり信用できないんだけど、梨華ちゃんに似てるのは嬉しいことなのでここは信用したい。
どうやら、僕は梨華ちゃんと瓜二つの模様です。やったね。僕はこのままどんどん梨華ちゃんに似たいよ。最終的には梨華ちゃんになりたいな。正直、もうそれしか僕に残された道はないんじゃないかと思う。梨華ちゃんと結ばれないのなら、僕が梨華ちゃんになるしかないんだ。それで、梨華ちゃんになって、ふっち君に恋をするんだ。ふっち君を想って股間をまさぐる。ふっち君、好き、好きなの、ねえ、もう、がまんできないの。そして梨華ちゃんになった僕はふっち君の子供を想像妊娠する。ふっち君、できちゃったみたい・・・。梨華ちゃんである僕は、ふっち君と想像できちゃった結婚をする。結婚式では僕(=梨華ちゃん)が一人でバージンロードを歩く。僕は想像上のふっち君と誓いのキスをする。僕はふっち君と幸せな家庭を築く。想像妊娠の結果、想像子供が生まれる。男の子が一人、女の子が二人。
薄暗い、ひんやりとした部屋で、微笑しながらつぶやく。
「ふっち君、わたし、幸せよ。ふっち君のこと、大好きよ。ずっと死ぬまで愛しているわ」
僕は精神病院の隔離病棟にいる。一人で。