ドリーミング夢みたい


 ハロモニは録画予約してがっつり眠った。そしてがっつり夢を見た。がっつり梨華ちゃんが出てきた。でもがっつけなかった。


 梨華ちゃんは公園に一人たたずみ『ふっち君ファーストソロ写真集』を開いて眺めていた。そんな公の場でさ、写真集なんて見たらいけないよ。恥ずかしくなるよ梨華ちゃん。でも僕は梨華ちゃんが僕の写真集を見てどんな反応を示すのか、とても気になった。だから紫陽花の花壇の縁に腰かけてちらちらと梨華ちゃんの様子をうかがった。梨華ちゃんは恐ろしいくらいの無表情だった。僕はすごく落ち込んだ。梨華ちゃんは僕の写真には興味がないんだ。単なる暇つぶしに眺めてるだけなんだ。


 そのあと場面がかわって、僕は中学校の校舎裏でリカニーをしようとしていた。とりあえず下半身だけ裸になった。地べたに座った。梨華ちゃんの写真集をひらいた。だけど誰かに見られるのが怖くなった。外でするのはやめようと思った。校舎の中に入った。梨華ちゃんの写真集を持って男子トイレの個室に入った。ことを始めようと思ったら、誰かの話し声が聞こえてきた。「おまえちんこでかいな」「おまえもでかいな」「俺、勃起したらもっと大きくなるぜ」「俺だって本気出したらまだまだこんなもんじゃないぜ」僕は自分のちんこを見た。小さかった。梨華ちゃんの写真集を見て、本気を出してみた。本気を出しても小さかった。
 ああ、そうだ、どうしよう。個室を出たときに、梨華ちゃんの写真集持っているのを奴らに見られたら誤解されてしまう。リカニーしていたと思われてしまう。いや、実際、リカニーしていたんだけど。じゃあ誤解じゃないな。とにかくリカニーしていたと思われるのは嫌だ。恥ずかしい。どうしよう。そうだ隠そう。便器の上方には棚がある。棚の上にはスポニチやらサンスポやらが乱雑につんである。僕は梨華ちゃんの写真集をスポニチとサンスポの間にさしこんだ。よかった。これで恥をかかなくてすむ。


 僕はまた公園にいた。紫陽花の花壇に腰かけていた。僕の隣には梨華ちゃんがいる。梨華ちゃんは大学ノートに何かの絵を描いている。ヘタクソな絵だ。小学2年生レベルの絵だ。丸描いて棒をひっぱっただけの、針金でできたような人間が24人くらい描いてある。梨華ちゃんは一言もしゃべらず黙々と針金人間を描きつづける。人がどんどん増える。30人になる。40人になる。僕は梨華ちゃんに話しかけるのが恥ずかしくて、そしてどんなセリフが適切なのかわからなくて、無言で針金人間が増えていくのを眺めていた。57人くらいになったところで意を決して梨華ちゃんに話しかけた。「り、梨華ちゃん、ねえ、お、面白い絵だね。うん、比較的うまいと思う」梨華ちゃんは何も答えない。僕は梨華ちゃんの太ももにさりげなく手をおいた。さりげなく美勇伝のリーダーをやっている梨華ちゃんの太ももにさりげなく。