ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

曖昧ミーMIND

 美勇伝のコンサートに行ってきた。一人で。


 ハロモニが終わる頃に起きる。朝立ちしていたけど、無視する。勃起がおさまってから風呂に入る。体を丁寧に洗う。特に股間をよく洗う。よく洗っていたらまた勃起する。でもまた無視する。
 風呂から出て、服を着てコンタクトをつけて、鏡を見て「よし、今日もかわいい♪」と自分を褒めてから家を出る。
 3歩歩いてから2歩戻る。チケットを忘れていた。家の中に戻ってチケットを財布の中に入れる。そのときに爪が伸びていることに気付く。急いで爪を切る。ついでに肉も切る。血が出る。それは嘘。そんなにおっちょこちょいじゃない。それから梨華ちゃん(ポスター)にキスをしてないことに気付く。「今日は梨華ちゃんに会えるんだね」と言って3秒間くちびるを重ねる。くちびるを離し、しばし梨華ちゃんと見つめ合う。照れる。照れながら家を出る。


 2時ごろ、新宿駅に着く。節約のために地下鉄には乗らない。新宿駅から東京厚生年金会館をめざして歩き出す。人が多くて自分のペースで歩けない。腹を立てる。自分がどこにいるかわからなくなる。適当に歩く。迷う。でも靖国通りを発見する。この道を行けばいい。美勇伝カーを発見する。「紫陽花アイ愛物語」が大音量で流されている。携帯で写真を撮ろうかと思ったけど、みっともないのでやめた。


 会場前に着いて、煙草を吸う。2本吸ってから中に入る。グッズの一覧表を眺める。ウチワが売ってない。激しく落ち込む。梨華ちゃんのウチワを集めるのが趣味なのに。湯のみに目がとまる。これはおしゃれだと感じる。でも買わない。


 開演まで30分あったので、喫煙所(隔離空間)で煙草を吸う。根元まで吸ったあとそこを出て自動販売機でカフェオレを買う。150円という値段にびっくりする。紙コップの小ささに腰を抜かす。氷の多さに閉口する。あっという間に飲み終わり、終末的に小さい紙コップを思い切り握りつぶして、燃えないゴミを入れるほうの穴に突っ込む。


 まだ時間があったので再び隔離空間へ入る。隅っこのほうでしゃがんでいる人がいる。ポテトチップスをマズそうに食べている。僕はそのポテトチップスの味を想像しながら煙草を根元まで吸った。


 そろそろ開演ということで喫煙所を出て自分の席へ向かう。途中、終末的に小さい雪見だいふくを手に持っている人を見かける。それから落ち着いた感じの老夫婦を見かける。梨華ちゃんのことが大好きな老夫婦って、なんだか素敵だなと思う。まあ岡パイヲタかもしれないけど。


 席につく。讃美歌が流れている。おごそかな気持ちになる。
 前の通路を通るファンの人たちを何となく眺める。ノースリーブのシャツを着たマッチョな人がいる。強そうだ。髪形だけかわいい女の子がいる。かわいそうだ。ブイネックのシャツを着た人がいて、ブイの頂点のあたりから胸毛が見えている。おしゃれだ。


 前の席の人が、梨華ちゃんの生写真を手に持って見ている。指紋がつかないように端っこを持っている。繊細だ。
 僕はそれを後ろから見て、あやうく声を出しそうになる。「梨華ちゃんキャワ」って。その人はアゴのあたりを指差して隣の人と何か話し、笑っていた。


 「梨華ちゃあああああああああん!」という悲壮な叫び声が聞こえる。感極まったのか、「ひいいいいいいいいあああああああああああああ!」みたいな、何者も呼んでいない声も聞こえた。これはちょっと面白かった。みんなもっと意味不明のことを叫べばいいと思う。「目が、目がああああああああああああああ!」


 開演する。梨華ちゃんが出てくる。双眼鏡で眺める。髪形が、おかしい。なんだこれ。新種のバーコード禿げみたいな頭だ。どうして前髪下ろさないのかな。少しがっかりした。それでも梨華ちゃんは死ぬほど可愛かったので、胸をドキドキさせて死にそうになりながら見つめた。


 何曲か歌ってから、三人がいきなり服を脱ぎだす。ブラとパンティだけになる。まあそれは言い過ぎた。でも見る人が見れば、ブラとパンティ。スポーツブラ。
 そして新曲のカップリング、曖昧ミーMINDが始まる。梨華ちゃんだけを8倍の大きさで追いかける。すると突然、梨華ちゃんが四つんばいになって股を開いた。ストリップみたいだ。これまで聞いたことの無いような、おかしなテンションの歓声が聞こえる。正直、僕は興奮した。「なにこれなにこれなにこれなにこれすごいすごいすごすごすごすごちょっと梨華ちゃ梨華梨華梨華ちゃんなにこれなにこれなにこれすごすごすごすご」と呟きながら梨華ちゃんの股のあたりを凝視した。金玉がむずむずして、先っぽがもぞもぞした。ほんと、このままリカニーしようかと思った。したかった。曖昧ミーMINDが終わったあと、股間のあたりが少し冷たかったのは、なんでだろう。カウパーかな。


 ブラとパンティだけの時間は短かった。変なヒラヒラしたものをその上に着ちゃったんだ。いいのに、着なくて。むしろ脱いでくれないかな。と僕は思った。


 後半、梨華ちゃんスウェーデンの箱入り娘みたいな恰好をし、ソロで「100回のKISS」を歌った。でも僕は「くちづけ100回」のくだりが出てくるまで、その曲だとわからなかった。梨華ちゃんが歌うと違う曲みたいに聞こえた。梨華ちゃんの歌唱は正直、微妙だった。声量がないし、安定感もないし、声にツヤがなかった。みーよゆいやんが堂本つよポンだとしたら、梨華ちゃんは光一だった。だけど僕は梨華ちゃんの歌を、ずっと、何時間でも聴いていたいと思った。


 終わりのほうのMCで、梨華ちゃんが噛みまくる。「まあ美勇伝の、わたしたち3ディンが・・・」だって。「3ディン」って何? その後も1回か2回噛んでいた。かわいらしく苦笑いする梨華ちゃん。そのたびに周りのひとびとが一斉に双眼鏡を構える。僕も構えた。ほんとに、梨華ちゃんは何してもかわいい。だけど、セックスはしちゃだめ。そりゃ入れられたってかわいいんだろうけど、それは駄目。まあ相手が僕だったら、ギリでセーフ。


 最後、客席に挨拶をするときに、2階に手を振ってくれたんだけど、僕は手を振り返さずに双眼鏡を通して梨華ちゃんを見ていた。双眼鏡の中で目が合って、ドキっとして、じかに目を合わせようと思って、双眼鏡を下ろした。でもそのときにはもう梨華ちゃんは僕の方を見ていなかった。
 そんなこんなで梨華ちゃんが舞台を去る。梨華ちゃんの背中を見送るこのときは、いつもすごく寂しくなる。今回も悲しくてたまらなくなった。もう、このツアーの美勇伝のコンサートは行かないし、当分会えないんだと思ったら泣きたくなった。でもよく考えたら握手会が近いうちにあった。ああ、そうだ、僕は握手できるんだ。もうすぐ。これまで遠くから双眼鏡を通して眺めることしかできなかった梨華ちゃんと。どうしよう。嬉しいし楽しみだけど、なんか怖いな・・・。


 帰る途中、曖昧ミーMINDにおける梨華ちゃんの四つんばいダンスが頭の中で何度も何度も再生された。梨華ちゃんの理想的なくびれ、むちむちのお尻、締まったふともも、謙虚なおっぱい、上品なのに淫靡な笑顔。「曖昧ミーMIND、曖昧ミーMIND、・・・」と曖昧につぶやく。曖昧に勃起する。いや、勃起は曖昧ではなかった。ギンギンだった。
 家に帰ってすぐ、リカニーをしようとしてトイレに入った。でも梨華ちゃんは曖昧ミーMINDのダンスを一生懸命練習したに違いない、そのダンスでもってリカニーするのは非人道的なんじゃないかと思った。そうしたら勃起が曖昧になった。立ったり、しぼんだりを何回か繰り返した。だけど最終的には、ちゃんと出した。きもちよかった。自殺したくなった。


 梨華ちゃん、ごめんね・・・。でも、しようがないんだ。するよりほかに、しようがないんだ。僕は梨華ちゃんのことが、またさらに好きになっちゃった。頭が、どうにかなりそうだよ。


 美勇伝のコンサート、また行きたいな。梨華ちゃんをこれでもかってくらい見ることができて、本当に最高だった。また行きたいな。梨華ちゃんに、会いたいな。