ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

いちご同盟 (集英社文庫)


 ということで、三田誠広先生の授業に出た。先週提出した小説が返ってきた。返されるときは、一人ずつ教卓まで呼び出される。みんなよろよろと自信なさげに三田先生のところへ歩いていく。一人の例外もなく、ダメ出しをされていく。「リアリティがない。感覚が刺激されない。理屈っぽい。ストーリーをおってるだけ。しかもストーリーそのものが面白くない」等々。それを教室のみんなが見ている。僕はめっちゃ震えた。怖くなった。僕の小説、『吉田君のレモンティー』も、めたくそ言われるんじゃないか。先生の前に出るやいなや張り倒されるんじゃないか。「こんなもん読ませやがってなめてんのか!」みたいなことになるんじゃないか。ああ、だんだん自信がなくなってきた。あんなものが読まれたことが死ぬほど恥ずかしくなってきた。だいたいタイトルが恥ずかしい。『レモン色とミルクティー』をちょっとぬっちしたんだ。おい、ぬっち言うな。参考にしただけだ。
 で、僕の番が来た。うわあ、三田先生が目の前にいらっしゃる! いちご同盟 (集英社文庫)
「レモンティーのところはよかった」やっべ、マジで? 芥川賞作家に褒められた! 超うれしい! 三田先生、僕は自信がつきました。芥川賞を目指します。そして梨華ちゃんと対談します。そして対談終わりに梨華ちゃん安楽亭に行って「お肉スキスキ」とか言いながら上カルビを食べます。間違って「梨華ちゃんスキスキ」と言ってしまいます。そして携帯番号を聞きだします。そして梨華ちゃんといい感じの関係になってそのうちラブ、ラブホなんかいっちゃっ「でもね、レモンティーへ行くまでが非常に退屈なんだ。この主人公は、ほんとに、自分からは何もしないね(笑)。もっと主人公を動かさないとだめだよ。ドタバタさせたほうがいい。退屈な日常を描くだけじゃあ、読者はついてこないから。途中で読むのやめちゃう」


 評価は、星3つ半だった。割合として、星4つの人が半数、星3つ半の人が半数だと先生は言っていた。僕はダメな方の人間だった。僕には小説の才能はなかった。要するに梨華ちゃんとラブホテル行くのは無理だということだ。ああ、もうだめ。死にたい。