モーニング娘。コンサートツアー2005 春~第六感 ヒット満開!~ [DVD]


 DVDを買って、家に帰った。部屋はしっちゃかめっちゃかだった。めっちゃかしっちゃかと言ってもいい。とにかく昨日片付けを中途でやめたから、エロ本やらエロ本やらエロ本やら、部屋じゅうに散乱していたので僕は勃起しそうになったんだ僕は。主語が2回入ってたけど気にしないでください。ああ、でも気になるなあ。最後の「僕は」は必要ないんじゃないか。消そうかな。いいや消さなくて。面倒くさいから。僕はまっさらな部屋で、梨華ちゃん卒業コンサートを観たかったから、速攻で片付けた僕は。やっぱり主語2回はうざい。新しい文体を発見したと思って軽く有頂天になっていたんだけど、ただうざいだけだという事に気が付いた。でも消さない。面倒くさいから。こういうふうな極度の面倒臭がり屋の腋臭の僕が(口も臭い、足の裏も臭い、ぜんぶ臭い。臭くないところは一つとしてない)、面倒臭いことの代名詞でもあるような「部屋の片付け」を果敢にもやってのけられたのは、梨華ちゃんが好きだからだと、思う。汚い部屋で梨華ちゃんを観賞するわけにはいかないんだ。申し訳ない気持ちになる。でも本当のところは、単に僕がいい気持ちで梨華ちゃんを観賞したいだけだった。僕はエゴイズムの権化なんだ。梨華ちゃんのことなんて実はどうでもいいんだ。梨華ちゃんのことが好きで大切にしたくて梨華ちゃんの気持ちを第一に考えるのならばそもそもリカニーなんかするべきではないしリカニーの一部始終をネットという公の場に公開するべきじゃないんだ梨華ちゃんの目にももしかしたら触れてしまうかもしれないというのに。それを見たら梨華ちゃんはきっとショックを受けるに違いないし最悪泣いてしまうかもしれない。そういう想像がついていながらリカニーのことを喜んで、ときには快感をさえ覚えながら書いている僕は世界一のエゴイストかもしれませんよ小泉総理。総理、総理、総理! 僕はリカニストでありかつエゴイストであります総理! 郵政民営化法案可決おめでとうございます!


 そんなわけで僕は部屋をきれいに片付けた。エロ本は捨てても良かったんだけど、というか梨華ちゃんを愛しているのなら捨てるべきなんだけど、捨てられなかった。「特撰三十路妻」という気持ち悪い雑誌すら大切に保管してしまった。まだエロ本に未練があるらしい。いつかリカニー以外のオナニーをしようと企んでいるらしい。畜生、いつか必ず捨ててやるからな三十路妻。


 テレビ画面を濡れ雑巾で拭いた。これは絶対とれないだろうと思っていた汚れがとれた。感動した。これで綺麗な梨華ちゃんをもっと綺麗な姿で見られる。キュッキュという音が気持ちよくてもうすでにピカピカになっているのにしばらくの間ふきつづけた。
 風呂に入ってからだもピカピカにして「ピカチュウピカチュウ」と言ってみたりしながら風呂を出て、姿見の前に立って「僕ピカチュウだよ♪」とかわいらしく言ってみたけど、よく見たら全然ピカチュウじゃなかった。かわいくない。憎たらしい。なんだそのニヤケヅラは。お前は死ね! お前は死ね! だから言っただろ、誰か駅のホームから突き落とせって。まあそんな紳士の遊びめいたことをひとしきりしたあと、JINRO、それは楽しいお酒、を冷蔵庫から引っ張り出してきてテーブルに置いた。ロックで飲む。部屋はあらゆるところがきれいだ。僕も珍しくきれいだ。DVDの観賞を始める。深夜2時だったからヘッドホンを装着する。映像が流れる。


 僕はコンサート会場では恥ずかしくてできなかったことを思う存分やった。リカニーではない。梨華ちゃんががんばって踊って歌ってるのを見ながらリカニーするなんて外道なことはできない。じゃあ写真集ならいいのかっていう話になるけど、その話は押入れの奥深くに置いておく。そして二度と取り出さない。
 とにかく僕は恥ずかしいことをやった。ピンクのサイリウムがベッドの上にあったのでそれを手にとって振りまくった。もちろん光なんか絶えてしまっているけど振った。PPPHもした。深夜なのに「りーかちゃん、ヲイ、りーかちゃん、JINRO! JINRO飲む? それは楽しいお酒だよ」って言った。ときどき後ろを振りかえって誰か部屋をのぞいていないか確認した。JINROをどんどん飲んだ。最初はロックで飲んでいたけどだんだん面倒臭くなってきてストレートでやった。ぬるいとか何とか温度的なものは気にならなかった。しだいに脳みそがとろけたようになってきて、わけがわからなくなった。自分が何をしているのか、そもそも僕は何ものなのか、名前は何ていうのか、梨華ちゃんは何でかわいいのか、何で梨華ちゃんを見ると胸がキュンという音を鳴らすのか、何で梨華ちゃんに恋をしているのか、何で僕は6年生なのか、何で梨華ちゃんは卒業したのに僕はしなかったのか、何で僕は獣医学部を蹴って文学部にきたのか、僕はそもそも獣医さんになりたかったんじゃないのか、文学部にきていったい何を得たのか、卒業したあといったいどうするのか、梨華ちゃんはいつか結婚してしまうのか、僕はそのときどうするのか、スーサイドするのか、しないのか、どうせするんなら今すぐするべきなのにどうして今しないのか、ああ、梨華ちゃんにとって僕って何なのか。


 I WISHのあたりで涙が出てきた。人生って素晴らしいんだろうか。笑ったり泣いたりできて、それで幸せなんだろうか。泣いたあとは、切ないだろう。でも笑ったあとも、やっぱり切ないんじゃないか。何より一番切ないのは、酒を飲んだ後だ。JINRO、それは楽しいお酒って言うけど、楽しいのは呑んでるときだけで、その後は地獄のような苦しみが待っているんだ。しかしそれでも僕は今酒を飲んでいる。泣きながら。武道館では泣けなかったからその分も合わせて泣いている。何で泣くのかその意味もわからず泣いている。意味とか追求する気は起こらない。だって、面倒くさいから。


 初めてのハッピーバースディ!では手拍子をした。したんだけどズレまくった。誰も手を叩いていないところでパンパンと鋭く2回音を響かせてしまって、僕は赤面した。ヒューとか、そういう掛け声が聞こえたので、ああ、ヒューって言うべき箇所があるんだなと僕は思い、ヒューって言っても良さそうなところでヒューって言ったんだけど、他の誰もヒューって言わなかった。僕だけ一人でヒューとか言っちゃってこれまた顔が赤くなった。鏡見て確認したから間違いはない。ほっぺがりんごのように赤くなっていた。この比喩のセンス。ひどいもんだ。赤いと言ったらりんごしか思いつかない。文学部6年通ってこれだぜ? 6年間の集大成は、「ほっぺがりんごのように赤くなった」という稚拙きわまりない文章なんだ。授業の感想文も3行しか書けないし。手拍子してる場合じゃない、ヒューとか言ってる場合じゃない、お前は勉強をしろ、学べ、漢字ドリルをやれ、日記は手書きで書け、とにかく真剣に自分を見つめろ、目を逸らすな、面倒くさいとか言って何もかもうっちゃってしまうその姿勢を何とかしろただちに。でも僕は面倒くさかった。勉強なんてしたくないしそれに類似したこともしたくない。手拍子とヒューという掛け声しか今はしたくない。梨華ちゃんかわいいよ、輝いているよ、僕と違って。涙がとまらないよ梨華ちゃん



 梨華ちゃんが手紙を読んだ。武道館で聞いたときは特に感動しなかったし、何カマトトぶってんだよお前は、なんて、梨華ヲタの人に刺し殺されかねないようなひどいことを思ったんだけれども、このときは違った。
「うんうん、梨華ちゃん、そうだね、がんばったね、あーそうか、辛いこともあったし逃げ出したいこともあったんだね、でもファンの人に支えられてここまできたんだね、これからもずっと応援してるから、がんばってね。でも無理しなくていいよ、がんばれないときこそ僕は梨華ちゃんに声援を送るよ。あー梨華ちゃん。超スキ。卒業おめでとう!」というような事を口走ったように記憶している。結構な声量で。


 この後だったかな、メンバー贈る言葉を言ったのは。ミキティ梨華ちゃんはいろいろぶつかったこともあったらしい。僕はミキティ梨華ちゃんの仲を良くさせたいと思う。させる自信がある。僕が悪者になればいいんだ。共通の敵がいれば、人々は団結するものだ、不可避的に。だから僕はミキティにはこのペチャパイが死ね、と言うし、梨華ちゃんにはこのニガーのアゴ魔人がさっさと死ねと言う。そうしたら僕は二人の共通の敵になるわけで、ミキティ梨華ちゃんは手と手を合わせて団結し僕を憎みだす。梨華ちゃんに嫌われたって僕は構わない。梨華ちゃんが楽しく仕事をしていけるのなら僕はそれでいいんだ。と、僕はすこしうっとりしながら考えた。自己犠牲って、やっぱりうっとりするものだ。たまらないな。病み付きになる。病み犬サンバ。まあ僕は狂犬だけれども。しかも陰湿な感じの。


 ザ☆ピ〜ス!のときには酔いが回りまくっていた。胃の感じがおかしい。梨華ちゃんが「あーいとしいあの人」って言うわけだけど、梨華ちゃん曰くこのセリフをとちったことはないらしいんだけど、ここで、最後の最後っていうところで、噛んだら、面白いなと思った。むしろ噛むべきだとさえ思った。そうは思ったんだけど、見事に言い切った梨華ちゃんを見て僕は「梨華ちゃんよかった、ちゃんと言えたね、有終の美を飾ったね」などと気持ち悪いことを言った。まあ酔っていたので許してください。別に許さなくてもいいけど。


 特典映像のガキさんのソロの『ふるさと』が良かった。非常に。ガキさんはこころをこめて唄を歌うね。不覚にも僕はふるさとが恋しくなってしまった。今もふるさとに住んでいるのにもかかわらず。それくらい気持ちが伝わってくる歌だった。ガキさんがいるかぎり娘は大丈夫だ。そんな気がした。処女だしなあ、ガキさんは。


 メイキング映像を見ているときに、胃がちぢむ感じがした。トイレに駆け込んで、ゲロを吐いた。吐くのは久しぶりだった。泣いたり吐いたり笑ったりで、もうわけがわからなかった。もうルーズでルーズでしょうがねえなって感じ。顔はゆるいし涙腺もゆるいし食道もゆるい。ちんこの皮もゆるい。梨華ちゃんに嫌われちゃうよ。ルーズな人は嫌いだっていうじゃないか。まあ2回ほど吐いたね。一回戻ってきてメイキングの続き見てたらまた吐き気をもよおした。小川の顔を見たからじゃない。JINROそれは楽しいお酒、のせいだ。調子にのって飲みすぎた。調子のんな日記。帽子日記。君の顔が好きだ。( ´ Д `)<今は反省しているぽ。ノlc| ・e・)|l塾長の日記。美貴の死線。川釻o釻从  酒を呑む人 白百合つぼみ。はぁ、まぁさ・・・。須藤ラボ。うんこだだ漏れ。っていうか、マジでゲロがだだ漏れなんだが。ゲロは、なんだかカレーの味がしたな。ちょっと茶色かった。おい俺、口からもうんこ出してるよ、梨華ちゃんがうんこしないかわりなのかもしれない。梨華ちゃんのうんこは僕の口から出てくるのかもしれない。と、ちょっと思った。まあ実際はカレー吐いただけなんだけど。
 なんとかコンタクトを外して、ベッドに倒れこんで寝た。起きたら午後3時だった。煙草が床に落ちていた。煙草のそばにはトイレットペーパーが置いてあった。あぶない・・・。真剣に、あやうく火事になるところだった。死ぬなら一人で死ななきゃあだめだ、家族や犬や梨華ちゃんのポスターを巻き込むわけにはいかない。そういうわけで、僕は今から死ぬ。死ぬしかない。なにもかも、もう、面倒くさい。梨華ちゃんとセックスがしたい。したいけどできないから死ぬしかない。さようなら。今までありがとう。さてと死ぬか。ああ、でも、死ぬのすら面倒くさい。もういいや、面倒くさいから死ぬのはやめた。まだ口の中にはゲロの匂いが漂っている。歯を洗うのもめんどうくさい。臭い。僕は臭い。こんな僕だけど梨華ちゃんを好きでいいですか。と言って、また僕はうっとりする。