卒業


 今日は9月卒業者が発表される日だった。大学に行って掲示板を見た。僕の学籍番号が載っていた。5年と半年、ずっと僕を定義付けてくれた番号。僕に居場所を与えてくれた番号。卒業が決定。この番号ともお別れかと思うと、少し、いやとても淋しくなった。


 事務所に行って、成績表をもらった。予想通り、6単位落として6単位とれていた。単位取得できた3科目は、すべてBだった。
 三田誠広先生の創作指導もB。あーあ。こんなんじゃ芥川賞なんか無理だな。芥川賞的なものさえ不可能だな。梨華ちゃんとの対談も期待できそうにないな。ということは結婚も出来ないな。なんだよ、この融通のきかない現実世界は。どんだけ確かなリアリティーなんだよ。夢も希望もありゃしないよ。何が「夢は見なけりゃ始まらない」だよ、夢見てるけど始まる気配が全然ないよ。またか、結局気休めか。どいつもこいつもつんくも。気休め大好きだなお前ら。お前らみたいな芸術家は。気楽なもんだぜ、いつだって夢見心地だもんな、アーティストはよ。おめでたいよな。おめでとうございます!


 そんなわけで、僕は9月20日から、晴れてニートになります。誰にも負けないくらいの立派なニートを目指して頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします。
 怠けるなと言われたら、ネタフリと解して思い切り怠けます。いいぞ、その調子で堕落しろといわれたら、粛として聞き入れ、堕ちるところまで堕ちます。


 いずれにしても僕はいずれ、高ければ高いマンションの方が落ちた時きもちいいもんな、とミックスヴォイスで歌いながら飛びおり自殺するんだぜ! 世界はそれをスーサイドと呼ぶんだぜ! テンション上がってきたよフォオオオオオオオオオオオオ! ハードゲイ氏! 死! 死ね! 俺はぐちゃぐちゃになっちゃえ。
 ユー、死んじゃいなよ。OK、突き落としてくれ。おっとその前に、遺書を添削してくれ。誤字はないか? 文法は間違っていないか? ら抜き言葉はないか? 「確信犯」を誤用してはいないか? 文体が村上春樹のパクリではないか? 太宰治のパクりでもないか? ただ、一さいは過ぎて行きます、なんて文章は、まさかないだろうな? おい、バカ、お前ちゃんと見ろ、あるじゃないか。変えろ変えろ。「ただ、一さいは過ぎて行っちゃうの」に変えろ。OK、そうだ、それでいいんだ。さあ、はやく、突き落としてくれ! 梨華ちゃん、大好きだよ、愛してるよ! 死んでからもずっとね! さようなら! 無間地獄で待ってるよお。そして君は僕をどーんってする。どーん。夏のドーン。