昔、デパートに家族と出かけたとき、僕はあとについて歩きながら、漫画を読んでいた。ちびまる子ちゃん的な漫画。生理の話が出てきた。股間から血が出たとか、そういう話だった。赤飯がたかれていた。それを読んで、幼い僕はまったく理解できなかった。生理って何だ? なんでめでたいんだ? 僕は母親に、大声で「生理ってなあに?」と尋ねた。デパートで買い物をしている最中にである。おそろしいことだ。鳥肌がたつ。子供だったとは言え、とんでもないDQNだ。母親は、鬼のような形相で「そんなことは知りません!」と言い、兄は、「理解できないような本を読むんじゃねえ!」と怒鳴った。僕はなんで怒られるのか理解できなかった。わからないことがあればすぐに聞け。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と、家庭や学校で言い聞かされていたのだ。わけがわからぬまま、僕はデパートの中心で、「生理ってなあに、生理ってなあに!」と泣きながら叫び続けた。
 そして僕は、いまだに生理がどういうものか、よく知らない。きっとすごく生生しいものだろうというのは、わかる。正直、知りたくない。