パンドラの匣


 23時から5時までバイト。帰宅したあと、眠るのがもったいなくて、枕を梨華ちゃんだと思って抱きしめ長いこと過ごす。キンキキッズを聴いても、ブルーハーツを聴いても、僕の心には届かない。クレナイの季節を聴いたら、心は血まみれになったが、股間は正直に反応して、僕はリカニーがしたくてしょうがなくなって、リカニーをしました。射精した直後は、いつも以上に鬱状態になって、梨華ちゃん本当にごめんねって何回も言って、死にたい、という言葉が、上唇と下唇の間から際限なく流れ出ました。


 そのあと太宰治パンドラの匣 (新潮文庫)を再読して、ああこの人はやっぱり天才だなあと思った。僕みたいな、努力すらろくにできない凡人は、こういった天才の言葉でもって、自分を慰めるしかないのだなあと思いました。だけれどそれはやっぱり他人の言葉だから、十全には癒されなくて、僕は僕自身の苦しみみたいなものをどうにも始末処理できないまま、抱えていくよりしょうがなくて、どうしようもなく、死んでしまいたくなるのです。きっとそれよりほかに、解決の方法がないのです。パンドラの匣の底には希望があると言うけれど、そんなものは僕にはカケラも見えません。