それから僕は


 昨日買ったエコモニの写真集でリカニーをする。真昼間だったし、親がいたから、トイレに写真集を持っていった。それを手に持っているところを見られたら非常に具合が悪いので、手提げカバンにいれてトイレに入った。さゆみんをどう処理していいものか、しばらく悩んだ。そうだ、さゆみんを僕だと思いこめばいいんだ。さゆと梨華ちゃんではなく、僕と梨華ちゃんが海辺で親密に抱き合っているのだ。そうしたら、僕はかなり興奮した。梨華ちゃんの肌の柔らかさや、汗やら何やらのぬめりさえをも感じることができた。でも僕はさゆと梨華ちゃんの2ショットで射精するのは避けた。ほとんどありえないにしても、さゆで誤射してしまう可能性は否定できなかった。その時さゆは僕であったのだけども、完全には僕ではなくて、ときおりさゆが自らを主張してくるから、ちょうどその瞬間にさゆにとらわれて、さゆでイってしまう可能性はあった。なにしろさゆみんも、非常に性欲をそそる体をしている。抜こうと思えばいくらでもさゆで抜けそうだ。だから僕は、あ、やばい、出そうだな、っていう感じになると、梨華ちゃんのぬれぬれソロショットのページにすばやく移った。そして何の不安も恐怖もなく、安らかに、でも情熱的に、白くて温かいものを出したのである。梨華ちゃんのためだけに。


 そのあとは、いつも通り切なくなった。だけどその切なさはいつも以上のものだった。冷静になって写真集をながめると、梨華ちゃんは、処女に見えない。処女だったらこんなに世の中を悟ったような顔をしない。処女だったらきっとこんなに熟れきった肉体にならない。こんなにねっとりとしたオーラはかもし出さない。さゆと一緒に写ってると、非処女の感じがよりいっそうきわだつ。梨華ちゃんはじっさいにそういうことしてるんだって思うと、胸が苦しくて苦しくてたまらなくなる。でも、そんなはずないよね。そんなはずないよねって、僕は何度も何度も、梨華ちゃんに問いかける。そんなはずないよね。それに対し梨華ちゃんは、非処女的な微笑をぴくりとも動かさず、無言で僕に返事をする。僕はその無言の言葉を聞き取る。それは僕の頭のなかに侵入してきて、脳細胞を一つ一つ念入りに握りつぶしていく。脳細胞がだんだん少なくなっていくのを感じながら、それでも僕は問いかけをやめない。そんなはずないよね。そんなはず、ないよね。梨華ちゃん