合宿が楽しみで眠れなかった。あるいは途中で崖から落ちるのが楽しみだったのかもしれない。たぶん後者だと思う。とにかく眠れないものだから僕はリカニーをするしかなかった。リカニーをすれば疲れちゃって眠れちゃうはずだった。けれども僕は最近どうしたわけか早漏病にかかっているようで、3分もかからずに終了してしまい、そんなには疲れなかった。だから眠っちゃうことはできなかった。朝までまんじりともしなかった。まんじり。なんだろうこのエロチックな語感は。まんじり。まんじりかちゃん。

 朝までまんじりともしなかったにもかかわらず、僕はぎりぎりになってから準備を始めた。手近にあるものをどんどんバッグにつめこんだ。パンツだけ慎重に選んだ。地味なものが好ましい。スカイブルーのパンツとかあったけど、そういうのは除外。パンツで目立ちたくない。パンツが注目されれば、不可避的にちんこまで興味を持たれる。それは避けたかった。なにしろ包茎の上に小さいんだ。要するに粗チンなんだ。租チンだと思われたくない。あと、そのちんこのかもし出す陰鬱な雰囲気から、童貞なのがバレちゃうんじゃないかなあと考えた。だからパンツは茶系の地味なやつにした。あと、オナホールを持っていくかどうか迷ったけど、これはやめておいた。度を越した変質者だと思われそうだからだ。生採りおっぱいちゃんについては、最後の最後まで悩んだ。でもやっぱりやめておいた。度は越さないまでも、やはり変質者だと思われそうだからだ。いや僕は実際のところ変質者なのかもしれないけど、人から変質者だと思われるのは避けたいんです。イメージを大切にしたい。梨華ちゃんみたいに。ということは、なんだ、梨華ちゃんも天使的に可憐なイメージを作り上げてはいるけど、実際のところは変質者なのかもしれないんだ。変質者だったらいいなあ。僕と気が合いそうだ。まんじりかちゃん。写真集は、迷ったあげく、エンジェルズに決めた。

 身じたくを終えて、平面的なポスターの平面的なりかりんと熱くとろけるようなキスをした。そのときに「んむ、んむ」という、声なのか何なのかよくわからない音が出た。なんだこの変な音は。いやらしい。こんな音は誰にも聞かせられないぞ。イメージがこわれる。僕はイメージを大切にしたい。りかりんと僕だけの秘密だよ、こんな音は。ふしだらな音は。ね、りかりん。んむんむ。じゃあ、またね、りかりん。もし車が崖から落ちなければ、あさって帰ってくるからね。浮気しちゃあ、嫌だよ。でも僕は信じてる。梨華ちゃんのことだけは、いつだって信じてる。そうして僕は、愛するりかりんに別れを告げ、家を出た。つづく。