ベッドの中で

 午後3時ごろ、だんだん眠くなってくる。ベッドにもぐりこむ。梨華ちゃんの写真集を抱きしめて話しかける。梨華ちゃん。好きだよ。大好き。この3つの言葉がほとんど永遠に繰り返される。なんだろう、この語彙の少なさ。実にあきれる。頭が悪すぎる。もっと他になんかないか。なんかないかなんかないか、ってドラえもんが窮地においこまれてポケットから適当な秘密道具を探すみたいにして愛の言葉を探すんだけど、なんも出てこない。梨華ちゃん。好きだよ。大好き。これしか出てこない。やれやれ。僕はしかたなく、その3つの言葉をローテーションして梨華ちゃんに語りかける。だけどそのうちに、これだけで十分のような気もしてくる。なんだかんだ難解な言葉や綺麗な言葉を綴ったって、結局言いたいことは同じじゃないか。だったらこの3つだけで十分じゃないか。わかりやすくてシンプルだよ。この方がきっと伝わりやすい。あとはどれだけ心をこめていうかだ。僕は体じゅうに散らばっている想いをすべて心に集結させて、それを一滴残らず言葉にこめて、「梨華ちゃん、好きだよ、大好き」って言った。僕はこれで体力やら何やらぜんぶ使い果たしてしまって、すぐに眠ってしまった。