僕は性格が悪くなったみたいだ

 上の日記を書いてたら、北海道からおやじギャグの人がやってきた。最近、みんな気のきいたことを言いすぎるし、ちょっとおやじギャグを聞きたいなと思っていたところなので、喜ばしく思った。いやほんとに。ハンドルネームをさらすとちょっと迷惑がかかりそうなので、ラッシャーと呼びたい。むかしのあだ名がラッシャーだったらしい。よく見ると確かにラッシャー板前に見えなくもない。ちょっとうざい感じもラッシャーに似てる。正直を言うと、ラッシャーなんかよりはるかにうざいんだけど。まあそれはそれ。とにかくラッシャー。

 で、ラッシャー(敬称略)は、僕の家に着いてそうそう近所のラーメン屋にラーメンを食べにいった。ラッシャーとラーメンという組み合わせは、かなり暑苦しいと思う。でも僕はお金がなかったので家で留守番をしていたから暑くならなくてすんだ。自分の家なのに留守番というのはどういうことだろう。おかしくないか。だけどなぜかしっくりくる。いやだなあ。この家はもはやラッシャーの家なんだろうか。そういえば、こないだラッシャーが、「ふっち君は弟みたいに思える、僕は君のお兄ちゃんになりたい、というかすでにお兄ちゃんかもしれない」と言っていたけど、それはどうか勘弁してください。

 僕は一時のやすらぎを求めてリカニーをしました。ラッシャーがラメーンをむさぼり食ってるあいだに、僕は梨華ちゃんをむさぼり食った。いや、ラッシャーと一緒にしないでいただきたい。僕は梨華ちゃんを、上品に食した。ゆっくり丁寧にちんこをしごいたし、優しく射精した。マナーにかなったやり方でティッシュをあつかい、精液を優雅にふきとった。とにかく僕はそれでかなりやすらいだわけだが、トイレから出て一服しているとラッシャーがほくほく顔で戻ってきた。ただいま的な。ただいまじゃねえよ。ここはふっち君の家だよ。

 僕はこのところ鬱状態が続いているから、慰めてほしかったんだけど、ラッシャーはぜんぜん慰めてくれない。ラッシャーは僕の鬱を完全に無視して、おやじギャグを随所に挿入しながら東京までの珍道中について話した。どうだ、珍道中だろ的な。そういう、どうだ感があった。でもそれはぜんぜん珍道中じゃなかった。よくある話だった。僕は、へー、そうですか、と、面白くない感を前面に押し出したんだけど、本人はそれに気付かず、長々と非珍道中を語った。長くて中身の薄い話がやっと終わると、おもむろにカバンからパワプロ12決定版を取り出し、ゲームでもやらないかと言う。僕はあまり気分が乗らなかったんだけど、せっかく持ってきてくれたから付き合うことにした。

 ラッシャーは、パワプロがうまくなっていた。前はキャッチャーフライもとれなかったのに。今は横っ飛びとかする。イチロー的にうまい。僕は負けるんじゃないかと思った。僕は絶対に勝ちたかった。ラッシャーなんかに負けたくない。ラッシャーの勝ち誇った顔は見たくない。僕はなんとかぎりぎりで勝った。2試合目も勝利した。先発ピッチャーを継投させるという反則技まで使った。とても嬉しかったけど、ラッシャーの切なげな顔を見ていたら、なんだか居たたまれなくなった。

 それから突如ラッシャーはPCを立ち上げ、ブログを書きはじめた。僕はそのあいだ、やることがなかったので、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』を読んだ。上巻の終わりまできたけど、これは何だ? クソつまらないんだけど。みんな面白いって言うけど、いったいどこが? どのへんのくだりが? わからない。訳文は古いしかっこつけてるし、内容的にはダラダラありきたりな冒険続けてるだけだし、ぜんぜんつまらない。まだラッシャーのブログの方が面白い。いやマジで。下巻になったら面白くなるんだろうか。

 そんなこんなで、ラッシャーはブログを書き終えたらしく、鼻息を荒くして、「これは、書いちゃったなー、きもちわるいのを」と一人言を言った。僕は「どれどれ」と言ってそれを読んでみたけど、確かにきもちわるかった。こはっぴんく!とか言ってるもんだって。きもいよそんなの。きもきもじゃんよ〜。これ、梨華ちゃんのものまね。語尾に「じゃんよ〜」って付けると、梨華ちゃんになるの。それで、ラッシャーのブログは1分で飽きたので、ラッシャーのアンテナからいろんなサイトを見てまわった。

 紺バーションを見てみると、なんか精力的に活動していた。かしまし物語がすごいことになってる。がんばってほしいと思います。それにしてもこのサイトはあれだね、デザインが素晴らしいね。「僕はこういう爽やかなデザインのサイトが好きですよ」と言うと、「じゃあ俺のサイトは駄目なのか」ってラッシャーは言ってほっぺたをこんこんみたいに膨らませる。でもこんこんみたいにはかわいくない。ぜんぜん。だってラッシャーだもん。僕は言う、「ラッシャーさんのブログデザインは、まあ駄目ではないけど、ちょっとやりすぎ感はありますよね。どうだ感って言ったほうがいいのかな。どうだ、やってやったぜ!みたいな感じがあります。どうだ感」そしたらラッシャーはひどく落ち込んでいたけど、それを見ていたら僕は鬱が晴れた。びっくりするくらい元気出てきた。しばらくデザインについて議論を戦わせていたら、ぴったり適切な表現が見つかった。おやじギャグ感。これだよ、ラッシャーのブログデザインはおやじギャグなんだ。ということで、議論は丸くおさまりました。文章だけでなく、デザインにまでおやじギャグ臭がただようっていうのは、ある意味すごいと思う。

 それからまたこんこんヲタ界隈とか、いろいろ見た。僕はそれらのサイトをことごとくあざ笑った。タイトルが長すぎる、デザインセンスがラッシャー以下だ、馴れ合いはいいかげんにしろ、日記読んで感動しましたとかコメントしてるけど本当はそんなこと思ってないんだろ、どいつもこいつも偽善者ばっかりだ、いい子ちゃんぶりやがって、オナニーばっかりしてるくせに、どんな声だしてするんだ? あ? 言ってみろこのキモヲタが。そんな感じで悪態をついていたら、ラッシャーが真顔になって言った。そんなこと言うもんじゃない、みんな素敵な人たちだよって。そうかなあ。僕にはそうは思えないな。はっきり言えば、みんなあまりにも素敵すぎるんだ。素敵すぎて逆にうさんくさい。作りすぎてるような気がする。何か違和感がある。何かが歪んでいる。まっすぐじゃない。そんなふうに思う。そんなふうに思って、ありとあらゆるサイトにケチをつけていたら、あれ、おかしいなと思った。僕はこんな悪辣非道な人間だったっけ? 僕はどうも、最近すごく性格が悪くなったような気がする。とラッシャーに言ったら、そうだね、あんたは性格が悪くなった。といわれた。まいったな。