待つ

 今日の午後3時30分に、梨華ちゃんが僕の家にセックスしに来るって、昨日の日記で書いたけど、あれは実を言うと冗談だったんだ。でも、今日になってみると、あれは冗談ではないように思えてきた。もしかしたら、本当に梨華ちゃんは来るんじゃないか。「ふちりん・・・、きちゃった」とか言って、来ちゃうんじゃないか。僕はとりあえず、来ちゃった場合に備えて、リカニーをした。今日2回目。それから、午後3時30分まで、ベッドの上に正座して待った。すごくどきどきした。梨華ちゃんが本当にやってきたら、どうしよう。嬉しいけど、困ってしまう。どんな話をすればいいんだろう。リカニーの話をするのか? 今日はとりわけ良かったよ、って。そんなの駄目だ、一瞬で嫌われてしまう。他に、しまった、何も思いつかない。しょうがない、とりあえずゲームをやろう。ドラゴンボールZスパーキング!を梨華ちゃんと二人でやろう。そして、梨華ちゃんに10連勝くらいして、梨華ちゃんをメタメタのギッタギタにしよう。僕の強いところを見せつけられた梨華ちゃんは、「あ、ふちりん、頼れる・・・」とか言ってきっと濡れちゃうに違いないんだ。僕はそこで、一か八か、「梨華ちゃん、ねえ、僕のあそこがスーパーサイヤ人になっちゃったよ・・・」と耳もとで囁く。梨華ちゃんはもうそれでメロメロになってしまって、二人はついに初エッチをする。というのを想像しながら、どきどきして待ってたんだけど、午後3時30分になっても梨華ちゃんはやって来なかった。40分になっても、50分になっても、4時になっても、来ない。なんだ、やっぱり来ないんだ。まあそりゃそうだよね。来るわけないよね。わかってたよそんなこと。僕だって早稲田を出てるんだ、そんなに馬鹿じゃないんだ。冗談で言ったことが本当になるなんて、そんなこと本気で考えるわけないだろう。でも、どういうわけか、僕はひどく落ち込んだ。うちひしがれて、正座から体育座りに姿勢を変えた。そしてそのまましばらく動けなかった。

 ねえ梨華ちゃん。僕は待ってたんだよ。梨華ちゃんが来るのを。いや、いいんだ、気にしなくて。責めてるわけじゃない。来なくて当然だもの。僕の冗談に梨華ちゃんが付き合う必要なんて全然ないんだ。でもね、それでもやはり、僕は待っていたんだ。僕の家でね。僕は、出待ちも、ストーキングだってできないから、そんな勇気ないから、いつも僕の家で待っているんだよ。今日だけじゃない、毎日、毎日、梨華ちゃんが、何かの偶然で僕の家にやって来ないかなって、そんな淡い期待を抱いて待っているんだ。いいんだ、来なくたっていいんだよ、そりゃ、本当は来てほしいけどね、でも、いいんだ。無理なものは無理だもの。だけど梨華ちゃんには、どうかこれだけは知っておいてほしいんだ。「僕はいつだって、心臓をドキドキさせながら、梨華ちゃんが来るのを待っているんだよ」