ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

リボンの騎士 ザ・ミュージカル

梨華ちゃんに会うということで、とびっきりのおしゃれをした。
・おしゃれに時間をかけすぎた。
・時刻表を見る。どうがんばっても間に合わないことがわかった。
・泣きたいような気持ちになる。
・1万円も払ったのに、遅刻するとか馬鹿じゃないの?
・なんで夜の部なのに開演が4時なんだよ。夜じゃないじゃん。夕方じゃん。
梨華ちゃんが出てくるのが遅ければ、まあ問題ないんだけど、どうだろう。
・中吊り広告の、「ちゃんこDEソウル!」という文字が、「ちんこDEソウル!」に見えた。
・次がやっと新宿だ。
・ここにきて急にウンコしたくなってきた。やばいよ。ウンコしてる場合じゃないのに。でもしたいよ。うんこ。うんこめ!
・うんこはなぜか引っ込んだ。よかった。
・アルタ前を通る、午後4時。もう開演している。ちくしょう。
・おばさんと子どもが手をつないで大股で歩いている。腕時計をちらちら見ている。きっとリボンの騎士を見にいくんだろう。僕は遅刻仲間を見つけて、なんとなく安心した。僕はその二人と同じくらいのスピードで歩く。
・コマ劇が見えてくる。カップルとすれちがう。僕は女のほうではなく、男のほうに目が行った。かっこいい。髪がいい感じにつんつんしてる。顔はもこみちに似てる。ポロシャツの色合いはハワイのビーチを思わせる。ズボンはロサンゼルスみたいだ。靴は質の良さそうな黒い皮でできている。僕はその男に嫉妬した。梨華ちゃんはこの人を見たら、どう思うだろう。そう考えたら、嫉妬心がわきあがってきて、あふれんばかりになって、思わず僕はその男をにらみつけそうになった。でも結局のところ、僕は小心者だった。ちくしょう、と心の中でつぶやいて、地面を見つめながら歩いた。
・コマ劇の入り口前。上のほうにどでかい看板が貼りつけられてる。でかいなあ。そのとき僕は、梨華ちゃんという人は、僕なんかとは比べ物にならないくらいでかい人間なんだな、と思った。ため息がでた。少し憂鬱な気持ちになった。
・チケットを切られる。僕はかばんを開けて、チェックされるのを待ったが、チェックをする人はいなかった。どうしてチェックしないんだろう。コンサートのときはいつも検査するのに。不思議には思ったけど、気分がよかった。僕はどうやら、信用されているみたいだ。
・中に入る。もう劇は始まっている。席を探して、座る。13列。舞台のまっしょうめんだった。これ以上ないくらいの真正面だった。末梢神経もびっくりだ。
・お客さんがたくさん入っている。8割以上は埋まっている感じだ。
・13列と知ったときは、ほとんど絶望するくらいだったんだけど、意外と近かった。双眼鏡なしでも、ちゃんと顔が見える。
マルシア高橋愛ちゃんが、からみあってる。なにごとかの事件がもちあがっているみたいだ。でもそれがどんな事件なのかは、よくわからない。
・フランツ王子が出てきた。かっこいい恰好をしている。白いマントをなびかせながら走ってくる。僕は、梨華ちゃんかっこいい!と思った。そして・・・好きだよ。
梨華ちゃん王子がひとりで歌を歌いはじめた。たぶんクチパクではない。梨華ちゃんの歌は、びっくりするくらい上手だった。声が腹の底からよく出ている。いつもの不安定な感じはぜんぜんない。「あなたにふたたび会うために、私は生きるのだ」そう歌って、梨華ちゃんは涙をちょちょぎらせた。僕もなんだか泣きそうになった。梨華ちゃんに会うために、僕は生きる。そういうのも、悪くないかもしれない、と思った。だけど同時に、決定的な違いに僕は気づいてしまった。フランツ王子とサファイアは、両想い。僕と梨華ちゃんは、そうじゃない。
・左上のところに、バンドマンみたいな人たちがいる。あこがれのバンドマン。ギターを持ったもじゃもじゃの長髪の人がリーダーのようだ。たまに手をふりあげて合図をおくっている。僕はそのもじゃもじゃ長髪男を、なんとなく憎らしく思った。嫉妬したのかもしれない。手をふりあげる仕草は、僕に対する挑発のように思えた。
・でもその演奏は、とても良かった。自信にみちていたし、生き生きとしていた。バンドマンにたいする嫉妬心は、だんだんに失せていった。
・音響関係は、全体的に耳に心地よかった。音割れなんか一切なかった。
梨華ちゃんは、かわいいけど、やっぱり王子役だから、かっこよさのほうが勝っていた。男らしい梨華ちゃんもいいけど、僕はやっぱり女の子らしい梨華ちゃんを見たいな、と思った。
高橋愛ちゃんは、演技がうまいなあ、と思った。ただ、主役にしては、いまいちオーラというか、輝きというか、そういうのが足らないような気がした。
・よっしーは、なんというか、安っぽい印象を受けた。ハロモニのコントみたいな感じだった。
ミキティが、一番輝いていたような気がする。ライブではいつもやる気なさそうにしてるけど、今回はぜんぜん違った。正直言って、ミキティを見直した。その演技は、鬼気迫るといった感じ。すごい勢いで鬼気が迫ってきて、ほんとうにどうしようかと思った。歌も気持ちが入っていて心が震えた。ミキティの表情は、まさに魔女だった。
マルシアは、がんばってたけど、どういうわけか見てて切なくなるときがあった。どうしてだろう。
・小春は心から楽しそうに舞台を走り回っていた。ぜんぜんびびってないように見えた。どうしてびびらないんだろう。まだ中学生なのに。とんでもない度胸だ。もしかしたら天才なのかもしれない。顔がすごくかわいく見えて、なんどかじっと見つめてしまった。
・淑女たちがめちゃくちゃ可憐で、びっくりした。可憐すぎる。可憐すぎることの原因の一つは、衣装にあると思う。ドレスがきれいな色でふんわりしててとても素敵なんだ。梨華ちゃんがあの衣装を着たら、と思うと気絶しそうになる。
ガキさんがいつのまにかおそろしくいい女になってる。
えりりんはかわいいけど、あまり華がない。
梨華ちゃんが淑女になる回を、観に行きたい。でもお金ない。
・ごつい男が5人くらいあらわれ、バク転などの新体操的な動きをやりだした。別にたいした動きでもないなあと思った。ショッカーのほうがまだいい動きをする。ただ、劇の中での良いアクセントにはなっていたように思える。
・でもな、お前ら梨華ちゃんに指一本でも触れてみろ、チンコ切り落としてやるからな。
・休憩時間が25分もあって、長いなあと思った。
・アナウンスが流れた。「カレーライス一食1000円、好評販売中です」だって。笑った。
・フロアをうろついた。販売員がとんでもなく必死だった。どんな必死系のヲタでも、彼らには勝てないんじゃないか。僕はそんな販売員にいじわるをしてやりたくなった。「モー娘と美勇伝のかわらセンベイ」という、1000円くらいの商品があり、僕は店の前で原価の安そうなそのセンベイを長いこと眺めた。センベイにはメンバーの名前が刻まれている。石川梨華。僕はいったん店から離れかけて、でも戻ってきて、またセンベイを物欲しそうな顔でながめた。そうしたら店員が必死に声をかけてきた。僕はけっきょくセンベイを買わずにそこを立ち去った。あんなセンベイ、いったい誰が買うんだろう?
・2階に上がると、グッズ売り場があった。どれを買おうかなあ、と思ってグッズ一覧表をじっくりながめた。梨華ちゃんのうちわと、梨華ちゃんの写真セットの二つに決めた。DVDは、かなり迷ったけど結局買わないことにした。どうせ1回しか見ないし、高い。梨華ちゃんのソログッズ全部セットには心をわしづかみにされたけど、1万6000円だなんて冗談よし子さんだった。そんな金ないよ。僕が石油王の息子だったら、迷わず買うんだけれどね。残念ながら僕は石油王の息子なんかじゃない。ちくしょう。
・「石川のうちわと、石川の写真セットください」と僕は言った。1100円。おつりはなし。
・席に戻って、ぼんやりする。斜め前をみると、パンフレットを開いて見ている人がいた。2000円もするのに、あんなものよく買うよなあ、と思った。よっぽど金持ちなんだろうな。石油王の息子なのか? と、よく見ると、その男の人は、梨華ちゃんのページを見ていた。梨華ちゃんのことをまじまじと見つめている。おい、いったいどこを見ているんだ。顔なのか。顔なら、まあいいけど、でもほんとは嫌だけど、まあ許してやる。でもね、もしおっぱいのあたりとか、股間のあたりを見てるんだとしたら、許さないからな。僕はその男の人、いや、おっさんの後頭部をにらみつけた。どんな顔をして梨華ちゃんを見ているんだろう。にやにやして見てるにちがいない。いやらしいやつめ。許せない。と思ったらページがめくられた。なっちの顔が目に入ってきて、僕はほっとした。その人は、なっちのことをもまじまじと見ていた。誰でも大好きなのかな。
・劇が再開される。
・劇中で、カワイイ子を探すことになって、れいなとさゆみんが「どこかにカワイイ子はいないかな?」とか言うや、強烈なライトで客席の一部が照らされた。僕がその光の円に目をやると、そこにいるのはキモい感じのおっさんやお兄さんばっかりで、かわいい子は一人もいなかった。おっさんたちは、スポットライトの中で苦笑いをしていた。あるいは照れ笑いを。面白い演出だなあと思った。
・なんだか泣いたり笑ったり怒ったりがあり、最終的にはたぶん幸福が訪れたんだと思う。梨華ちゃんが愛ちゃんと永遠の愛をちかい合ったときは、少し嫉妬した。
・劇の続きみたいな感じで、ライブが始まる。モーニング娘がラブマシーンを歌う。最前のまん中あたりの人たちが立ち上がった。他にも立つ人はぽつりぽつりといた。でも95%の人は座ったままだった。僕も座っていたかったし、立たなかった。最前のまん中あたりの人たちは、明らかに浮いていた。娘たちは、歌いながらすこし困惑しているように見えた。
・娘の唄が終わって美勇伝が出てきた。僕は、「梨華ちゃん!」と心の中で叫んだ。大好き、大好きだよ・・・! 梨華ちゃんは新世代のOLみたいな恰好をしている。スカートは限界をこえて短い。なぜかイスを手に持っていた。梨華ちゃんはイスを置いて、その上に座った。それはおそろしく不自然なすわりかただった。いくら新世代と言っても、そんな座りかたはOLとしてどうなのか、と僕は思った。よくない。いやらしすぎる。股をひらきすぎている。パンティーが見えちゃいそうだ。僕は心の声で注意した、梨華ちゃん、だめだよ、人前でそんなに股をひらいたりしたら。いけないよ。破廉恥だよ。見てらんないよ。やめなさい。コラ、怒るよ! 梨華ちゃんは僕の注意なんか聞こえてないのか、聞こえてないんだろうなあ、イスの背もたれに抱きついた。わかるかな、どんな様子か。梨華ちゃんは観客に背を向け、黒いイスの背もたれに胸をおしつけるようにして座り、股を180度ひらいたんだ。そうして梨華ちゃんは、いたいけな子どもさんやセックスのことで頭がいっぱいの変態どもがたくさんいる観衆にむかって、おしりをゆらゆら誘うように揺らしたのです。僕はさっき以上に、見てらんなかった。そして、とても悲しかった。
美勇伝は一曲だけだった。そのあとまた劇の衣装に着替えたメンバーが出てきて、あいさつをした。僕は梨華ちゃんに、さよならを言った。幕が下りきってしまうまで、僕は梨華ちゃんを見つめていた。梨華ちゃん、おつかれさま。今日はとても良かったよ。ただの1回もセリフを噛まなかったね。たくさん練習したんだろうね。がんばったね。すごいな。これからの公演も、がんばってね。かげながら応援してるからさ。それじゃ、またね、さようなら。大好きだよ、梨華ちゃん。さようなら。大好きだよ。
美勇伝のライブを別にすれば、全体的にひじょうに面白いミュージカルだった。まるで夢を見てるみたいだった。スタッフの熱意とプロ意識が感じられた。1万円の価値はじゅうぶんにある。もう1回行きたい。でも金がない。
・最後に、椅子の座り心地がとてもよかった。座っててぜんぜん疲れなかった。おしりも痛くならなかった。