ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

死にたいなあ

 ところで昨日、メンタルクリニックに行った。「どうですか調子は」と笑顔で聞かれた。僕は僕の調子についてしばらく考え、答えた。
 「メイラックスを飲むようになって、基本的には楽になりました。しかしたまにおそろしい虚無感につつまれて、死にたいと思うことがあります」
 先生は、白いきちんとした紙に黒いペンで何かを書いている。日本語で書いている。僕はそれをなんとなく眺めた。死という文字が目に入った。
 「勉強はどうなんですか。やっていますか。行書を受けるということですが」
 「勉強なんですけれども、ぜんぜんやっていません。まったくやる気が起こらないんです」
 先生はにっこり笑って言った。「そうですか、それではこんどやる気の出る薬を出しましょう」
 や、やる気の出る薬だって? なにその夢みたいな薬。と僕は思った。覚せい剤的なものなのか?
 僕は平静をよそおいながら、「お願いします」と言って頭をさげた。
 僕はどうやら、こんどやる気の出る薬をもらえるようだ。とても嬉しい。そのあと尿をとられ、血をぬかれた。尿はくさかったし、血はどす黒かった。僕は自分自身のきたなさを、非常に恥ずかしく思った。

 そのあと高田馬場に行った。『アマチュア芸人のファンの集い』に参加するために。集合時間までまだ少し間があったので、歌広に行ってヒトカラをした。紺碧の空を歌った。僕はこの曲の、「覇者、覇者、早稲田」のところが得意だ。「覇者」から「野心」を連想した僕は、そのあとモー娘の野心的でいいじゃんを歌った。画面にPVがうつった。みんなかわいいなって思いながら、歌った。でもちょっとブリッコをしすぎなんじゃないかと思った。なんだよそのポーズ、そうやって男をたぶらかすつもりなんだろう? そして金をしぼりとる。へっ、なめやがって。ふざけんじゃねえよ。何がモー娘だ、マジで、ふざけんじゃねえぞ。「野心的でいいじゃん」とか無責任に言いやがって。僕みたいなもんはな、いくら野心的になったってどうにもならねえんだよ。あんたらとは違うんだよ。なんにも、どうにもなりゃしねえんだよ。そうだ、やる気の出る薬とやらを飲んで、やる気が出たって、何も、どうにもさあ。思い通りになんかいかないんだ。きたない窓から外を見ると、空はうす暗くなっていた。灰色の雨がふっている。

 外に出る。物陰にかくれ、メイラックスを2錠のんで、アマチュア芸人のファンの集いに行った。芸人は4人で、ファンは2人だった。酒を飲みながら、笑いの絶えない楽しい会話をした。けっきょく3次会までやった。今日の朝、家にかえってきて、ブルーハーツを聞きながら眠った。起きたときは、死にたいなあと思った。二日酔いでうごけなかった。僕はベッドの上にねそべったまま、梨華ちゃんのポスターを見つめる。死にたいなあ。