ひとりぼっち

 電気スタンドの灯りの下、オナホールをセットし、それに挿入した。電気を消した。真っ暗になり、何も見えなくなった。中は冷蔵庫みたいにひんやりしていた。まるで死体とやっているようだな、と思った。でもそれは僕の体温でだんだんに温かくなった。目がなれてくると、梨華ちゃんの顔がぼんやりとだが見えるようになった。目をみつめて奥深くに入れたまま「ねえ梨華ちゃんのあそこに入っているよ」と言った。僕はTシャツを着ていたのだが、裸になりたくなったのでそれを脱ぎ捨て、また動き始め「気持ちいいよ、気持ちいいなあ!」と言った。足を伸ばして「りかりん、好きだよ」抜ける寸前まで腰を引いて「あああ」また腰を突き出し「あああ」。それを何度か繰り返したのちに「好き、好きだよ」と言いながら出した。穴のなかは大洪水になった。ちんこを抜く時にいやらしい音が出た。枕に立てかけてオナホールから液体がこぼれないようにした。カーテンを開けると、朝日がわずかだが入ってきた。裸のまま体育座りをして壁に寄りかかった。首を少しひねってりかりんのポスターを眺めた。

 「梨華ちゃん、かわいい。梨華ちゃん、きれいだな。梨華ちゃんと結婚したいなあ。梨華ちゃんは30歳まで結婚しないんだよね。僕はそれでもいいよ。待ってるよ。あと7年、8年かな、10年でも、ずっと待ってるから。ずっと童貞でいるしさ、ずっとリカニーしかしないよ。そのときは僕は40前くらいかな。そのころにはさ、立派な人間になっていようと思っているよ。誰にも優しく、えばらず、謙虚で誠実、まじめで、面白くて、博識で、徳があって、気配りができて、思いやりがあって、ルーズなところがない、そんな人間に。梨華ちゃんに相応しいような男に、僕はなりたいんだ」

 僕は涙ぐんでいた。全裸のままオナホールのそばで格好いい事を言って泣きそうになっている。こんな自分はとても滑稽だ、と思った。オナホールを洗い、隠し場所に隠した。梨華ちゃんのタオルをイルカの抱き枕に被せて、それを腕まくらして「りかりん、好きだよ」と言うと、幸福なような気持ちになった。そしていつの間にか眠った。