喉が渇く

 もう嫌だ。あいつは殺す。そいつも、こいつも、お前も殺す。神も仏も全員ぶっ殺す。動物も殺すし虫も殺す、ミジンコも植物だって殺す。悲しみも喜びも、絶望も希望も、幸福も不幸も、宇宙も非宇宙も、形而下も形而上も、本当も嘘も、なにもかも僕はぶち殺してやりたいんだ。梨華ちゃんに会いたいな。梨華ちゃんに愛されたいな。殺されたいな。梨華ちゃんのうんこを食べたいって、友達に言ったんだ。愛しているなら、うんこだって食べるべきだと思うから。だけど友達は露骨に嫌な顔をするから、僕は「冗談だよ、うんこなんて食べたくない」って言っちゃった。梨華ちゃん。会いたいな。梨華ちゃんが好きだな。梨華ちゃん以外には誰にも会いたくない。もういいよ、僕のことはほっておいてくれよ。他の、もっと気のきいた人間と仲良くすればいいだろ。僕なんかほっとけよ。馬鹿がうつるぞ。僕に近寄らないでくれよ。僕は一人が好きなんだ。孤独を愛しているんだ。人とつるむなんてかっこわるいし、だっせーんだよ。近寄るなよ。何がヲタモダチだよ。気持ちわるいんだよ。何が素敵な出会いだよ、お前らなんかとは会いたくなかったよ。話しかけるな、電話してくんなよ、メールも二度とするな。僕なんかどうせみじめに死んでいくよ。一人で。だから僕は今からそれに備えて孤独と仲良くならなきゃいけないんだよ。梨華ちゃん。会いたいな。梨華ちゃんが好きだな。好きだよちくしょう。大好きだよ。ちくしょう、愛しているんだ。いま梨華ちゃんは舞台の上で歌って踊っているんだろう。がんばれ、がんばれ、負けるな。そうだ、いいよ、うまく踊れてる。きれいだよ素敵だ。よく声も出ている、なんて可憐な声だろう。梨華ちゃんかわいい。すごく素敵、好きよ。がんばれ梨華ちゃん。僕がついているよ。愛してる、がんばって、ファイト、いいよ、かっこいいな、素敵だ、いい顔してる、輝いている。まぶしいくらいだ。サファイヤ、ダイヤモンド。名前のつけられない奇跡的な宝石だ。まいった、完敗だ君には。どんなに才能のある詩人でも君を十分に詩にすることはできないだろう。がんばれ。ればんが。好きだ。好き好き無間地獄。かまわないね。地獄だろうがなんだろうが、梨華ちゃんを好きでいるよ。諦めたりしないし、浮気なんてしない、あいつらみたいにはね。何が愛だよ、お前らの愛は愛なんかじゃねえよ、軽々しく愛という言葉を使うんじゃねえよ。うんこも食えないくせにさ。梨華ちゃんがんばれ、僕はいま、細胞のすべてを梨華ちゃんのために使っているぞ。自分の為になんか、僕は生きるつもりないね、梨華ちゃんの為にしか生きない。別にむくわれなくたっていいよ。一生、梨華ちゃんだけ好きだよ。