せめて友達になりたい

 梨華ちゃんが「みんな、エコしようね♪」って言うし、梨華ちゃんはエアコンを一切つけないらしいので、僕の部屋のエアコンは眠らせたままにしてある。今日は、肌が溶けそうなくらい暑かった。扇風機は回したけど、気休めにすらならない。暑さに耐えるのに必死で、勉強その他のポジティブな行為はまったくする気が起こらず、青封筒事件のとき(後述)以外はずっとフローリングの床に寝そべっていた。何度か浅い眠りに落ちて、色んな夢を見た。でも内容はほとんど覚えていない。思い出そうとしてもただ黒い影がうごめくだけで、しかもそれはどんどん薄れていく。

 FCの青封筒がとつぜん部屋に投げ込まれた。会報を見てみると飯田さんの事が書いてある。飯田さんが「永遠を誓いました」と述べているのを見て、そのを破ってしまいたくなった。「ケンジ」って誰だい。なんで芸名なの? 本名を出せよ、男らしくないなあ。僕の名前は田中太志っていうんだけど、ケンジさん、あなたの名前はなんていうの? そして僕は、りかりんもそのうちこういうことになるんじゃないかと思い、頭が燃え盛るかのように感じ、「ちくしょう!」という声とともにそのページをびりびり破いてしまった。りかりんが「ケンジ」的なやつと永遠を誓うなんて、そんなのとうてい我慢できない(童貞だけに)。そうなったら死ぬより他にない。会報を見ていたら紙面に梨華ちゃんが現れ、僕の目を独占した。僕は「りかりん! 好きだよ!」と小さな声で叫んだ。ああ、梨華ちゃんと、せめて友達になりたい。友達になるくらいのことが、どうして許されないんだろう。子供のころの僕らは、世界中の誰とでも簡単に友達になれたのに。