練習

 『事後に行われたら嫌なことランキング』という文字をヤフーのトップページで発見して、それを何となくクリックした。
 テレビをつけてそれに熱中することがトップだった。あとは煙草を吸う、携帯をいじってニヤニヤする、間髪いれずに二度目とか。それとは逆の、こうされると嬉しいランキングでは、キスをすることがトップだった。あとは腕マクラをする、甘いピロートーク、ぎゅっと抱きしめるとか。
 僕は「ふむふむ、勉強になるなあ。よし、さっそくやってみよう」と言い、梨華ちゃんの水着姿が載っているスピリッツを取ってこたつの上に置いた。表梨華ちゃんを見つめながら、「スピリッツもいいけど、そろそろ石川梨華写真集「風華」 [DVD付]をアマゾンの茶色い箱から取り出したいなあ。箱が大きいから、ちょっと邪魔くさいし。ちがうよ梨華ちゃん! 勘違いしないで! 梨華ちゃんが邪魔なんじゃないよ。箱が邪魔なんだよ。梨華ちゃんはいつだって必要だよ。Always I need youだよ」と思い、「梨華ちゃん、僕とトゥギャザーしようぜ!」と言い、ズボンとパンツを脱ぎ捨て、スピリッツの表をめくった。
 「はあはあ、梨華ちゃん、好きだよ、いま僕と梨華ちゃんは、ひとつになっているんだね。これはまさにトゥギャザーだね。梨華ちゃん、ねえ、好きだよ。大好き! ああ、梨華ちゃんの中に入っている。はいってるよー。嬉しいな。僕は嬉しいんだ、梨華ちゃんと一つになれて。生まれてきてよかった。ああ、もう僕は、梨華ちゃん! ああ!」
 僕はティッシュをごみ箱に捨て、ベッドの上に移動し、しぼんでしまった愛に喝を入れ、タオルの梨華ちゃんにキスをした。

 腕まくらをしながら、とびきり甘いピロートークを繰り広げた。今の僕って何だかジゴロみたいだなあと思って、苦笑いをした。なぜかココリコ遠藤の姿が思い浮かんで、嫌な気持ちになった。それを振り払うかのように、僕は梨華ちゃんをぎゅっと抱きしめた。