リカニーの話

 先日、本物に近いと噂の「貴方だけの穴(仮名)」というオナホールをアマゾンで頼んだ。その後、「アマゾン、モロバレ発送あり」という記述を2ちゃんのオナホスレで発見し、非常にビクビクしていたけれど、ちゃんと箱に入って届いたのですごくホッとした。

 草木も寝静まった深夜、「貴方だけの穴」をつかってリカニーをした。それは、柔らかくて優しかった。本物は知らないけど、本物みたいな感じだった。「こんな感じかあ、こんな感じなのかなあ、こんな感じなの梨華ちゃん? ああ、梨華ちゃん! 好きだよ……」と、ゆっくり出し入れしながら思った。「貴方だけの穴」には奥のほうに子宮口がついているのだが、僕のものが短いために届かなかった。
 終わったあと、オナホールとタオルを脇に押しやって、ベッドの上に仰向けに寝そべり、暗い天井を見つめながら、「梨華ちゃん、ごめんね。好きだよ……」とつぶやいた。そしてすぐに、「僕はいまどうして謝ったのだろう。いったい僕は悪いことをしたのだろうか」と思った。

 「貴方だけの穴」をバスタオルに包み、忍び足で洗面所に向かった。
 丁重に扉を閉め、洗面所のコックをひねり、子宮の奥まで指をつっこんで洗う。すると、何者かの足音が聞こえてきた。ミシ、ミシ、ミシ。僕はすぐにホールをバスタオルにつつんで隠し、鏡を見ながら髪型をととのえた。洗面所のドアが開いた。母だった。母は眩しそうに目を細めながら、
 「あら、ふっち?」と言った。
 「へへへ、う〜む」と言って僕は髪型をととのえた。