その12 バスが公民館のようなところに到着する

 短冊が手際よく回収された後、バスの前方に設置されたモニターに梨華ちゃんの映像が写し出された。ような気がする。梨華ちゃんは「みなさん、夕食はちゃんと食べましたか? これからライブですよ。楽しみましょうね」というようなことを言っていた。ような気がする。なぜこのようなボンヤリとした表現をするかというと、よく覚えていないからである。

 気がつけばこのバスツアー日記も第12話に突入しており、バスツアーが終わってから1ヶ月が経過しようとしている。いかに僕が梨華ちゃんを好きで、いかにバスツアーを印象深く楽しんだと言っても、約1ヶ月も経過すればさすがに旅行の細部の記憶はところどころ抜け落ちているか薄らいでいる。

 ところで先ごろ、ファンクラブの通販サイトで、このバスツアーの模様を収録したDVDが販売されることになった。それは「吉澤ひとみバースデーイベント」と、「保田圭矢口真里15周年記念バスツアー」と、この八ヶ岳バスツアーの模様が一緒に収録された2枚組のDVDで、送料などを合わせると9000円近くもするなかなかふざけた代物だった。

 僕はよっすぃ〜も圭ちゃんもわりと好きだが、矢口は梨華ちゃんがモー娘を卒業する直前に迷惑をかけまくったのに悪びれる様子もないし、ある番組で梨華ちゃんに「結婚はいいよ〜」的なことを自慢気に言って独身の梨華ちゃんを惨めな気持ちにさせていたから嫌いだが、お金に余裕があるわけではないので、梨華ちゃんのバスツアーの模様だけが収録されたDVDをもっと安価で購入したかった。

 僕はしばらくその通販サイトと睨めっこした後、それをクリックしてショッピングカートに入れて注文した。やはり梨華ちゃんとの楽しい思い出がたくさん詰まったDVDを手元に置いておきたかったし、9000円近いお金を僕が支払うことによって梨華ちゃんの給料が増えて、梨華ちゃんの生活がより豊かになるなら、それは素晴らしいことじゃないか、と思ったのだ。

 梨華ちゃんメッセージ動画が車内で流された(気がする)後、あまり人家や人気のない道路を15分くらい走ると、公民館のようなところにバスは停車した。それがまさに公民館だったのか、何らかのイベントホールだったのかについての詳しいところは、バスツアーDVDを観ればわかると思います。ここで問題になってくるのは、DVDが発売されるのなら、わざわざこのようなバスツアー日記を書く意味はあるんだろうか、ということです。DVDを観ればそれですむんじゃないだろうか、と思い始めています。でも、わざわざ高い金を出してまで観たくないライト梨華ちゃんファンもたくさんおられると思うので、その人のために書きます。しかしよく考えたら、僕は今まで梨華ちゃんのことはほとんど書いていなくて、自分を含めたヲタの描写ばかりしているような気がします。今後は気をつけたいと思います。