ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

その22 賞味期限の切れた七夕クッキーと死

 ザ☆ピ〜ス!の「最高級で愛そうぜ!」のところで梨華ちゃんは僕の方を見たような気がした。「これは僕のことを好きってことだろうか。よかったらお互いに最高級で愛し合いませんか?というメッセージを密かに送ってきているのだろうか」と瞬間的に思ったが、そんなわけはなかった。梨華ちゃんが僕の方を見たのは、ただ単に僕が梨華ちゃんと1センチもズレていない真正面に立っており、しかもちょうど梨華ちゃんの目の高さあたりに僕の顔があるからにすぎなかった。僕はライブ中、たまに右斜め前にゆらゆらと立つ、恵比寿様のような福々しい笑みを浮かべているヲタの横顔を盗み見てはいたが、基本的には梨華ちゃんのことを、穴があくんじゃないかと心配になるくらい情熱的に見つめていたので、梨華ちゃんは少しでも油断したら真正面の目線の高さにあるふちりんの顔を見つめることになってしまう、という仕組みになっていた。

 以前の梨華ちゃんは、ライブなどで歌っているとき、ヲタの顔に全くと言っていいほど目の焦点を合わせていなかった。どこか中空をいつも見つめていた。そこには空気しかないと思われたのだが、いつも梨華ちゃんは我々を見ないで空気をガン見していた。我々のことを見たくないのだろうか、我々が気持ちの悪い見た目をしていておぞましい雄叫びを上げるからこっちを見ないのだろうか、と思って切ない気分になったりしていたものだが、梨華ちゃんはとあるイベントでこのようなことを言っていた。「ファンレターに、梨華ちゃんがライブで俺を見てくれないから推し変します的なことが書いてあったの。でも私はその人だけの私じゃないから、その人ばかり見るわけにはいかないの」。それを聞いて、梨華ちゃんがヲタをあまり見ない理由がわかったのだった。梨華ちゃんの、ヲタを平等に愛したい、誰も特別扱いしたくないし悲しませたくない、という博愛の精神が、梨華ちゃんに中空を見つめさせていたのだ。とはいえ最近の梨華ちゃんは、イベントなどに来るヲタがいつも見るヲタばっかりになってきたため、普通に客いじりをするようになっている。1〜2年前のディナーショウで、前の方にいるヲタを普通に名指しでいじっていたのでひどくビックリしたことが思い出される。「あの梨華ちゃんが、客がどれだけいてもまるで人っ子一人いないかのような瞳をしていた梨華ちゃんが、客を積極的にいじっている!」と思ってビックリしたけれど、梨華ちゃんが僕らをちゃんと見てくれるようになったことは嬉しかった。僕もいじられたい!と思いました。でも僕を名指しでいじろうとしたら、梨華ちゃんはけっこうなドジっ子だから、「ふちりんさん」と呼ぶべきところを「ふりちんさん」と間違って呼んでしまい、大変なことになりそうなので心配です。炎上するかもしれない。2ちゃんでは「石川がふりちんって言った件」などというスレが立って祭りになるかもしれません。そういうことはやめてください。梨華ちゃんはとりわけインターネットに対してナイーブだから、そういうことになると心を病んでしまうかもしれません。炎上させるなら僕のツイッターだけにしておいてください。僕のハンドルネームが卑猥さと隣り合わせだから悪いんです。炎上させるだけじゃ飽き足らず、住所の特定までも行うと言うなら、いっそのこと家まで襲来してきてください。招き入れます。酒でも飲みながら話し合いましょう。僕のハンドルネームを侵食しているある種の卑猥さについて。話し合いが終わったらプレステ3のウイニングイレブン2013でもやりましょう。帰る段になるころには、お互いにココロを分かり合って、笑顔で「じゃあまたね」なんて言って別れるんじゃないですかね。そう上手くはいかないものかな。難しいね人生って。

 そういえば、このバスツアーで購入した梨華ちゃん特製七夕クッキーの件なのですが、もったいなくて食べられないまま冷蔵庫に入れっぱにしていた結果、賞味期限を1ヶ月も過ぎてしまいました。食べたらお腹を壊して死に至るかもしれません。しかし、それで死んだら面白いような気もするし、梨華ちゃんのクッキーで死ぬなら本望なのでもりもり食べようと思います。というのは冗談で、僕は死にません。そんなことで死んだら面白いのは確かだけど、面白のために命をかけすぎるのはいかがなものかと思います。面白とは生きるためにあるのではないでしょうか。死んでは元も子もありませんし、梨華ちゃんはインターネットのバカたちと違ってそのようなことで面白がりません。自分の熱心なファンが自分のクッキーで命を落としたことで深く悲しみます。梨華ちゃんを悲しませたくない。もし僕が七夕クッキーでお腹を壊して死んだら、梨華ちゃんはお葬式に来てくれるだろうか。責任を感じて来てくれるような気がする。何しろ律儀な人だからなあ、梨華ちゃんは。来てくれるなら、やっぱり死んでもいいような気がしてきた。だめ! 死んではだめよふちりん! はいわかりました。死なないように気をつけながら恐る恐るクッキーを食べようと思います。

 そういえば、同じような事件が以前にもありました。4年くらい前の美勇伝バスツアーで購入した「パンの感詰」という非常食的なチョコパンが入った缶詰も、もったいなかったし非常事態が到来しなかった結果、賞味期限を2年くらい過ぎてドロンドロンに腐ってしまいました。「梨華ちゃんごめんね…」と泣きべそをかきながら捨てました。本当に泣きました。心から申し訳なく思っています。でも、パンは食べられなかったけど、缶の方はきれいに洗って、部屋で唯一のペン立てとして活用しているし、きっと一生愛用していくので、許してください。そんな事件が過去にもありながら、再び同じような過ちを犯し(お菓子だけに)つつあるなんて、僕って奴は実にどうしようもない男だな。だけどさ、食べられないよ簡単には。こんな大事なものを。言ってみれば、銀座の高級店の特上のウニなんかよりもよっぽど大事なんだよ。このクッキーは、埼玉の工場のおばちゃんが流れ作業で作ったもので、梨華ちゃんはパッケージをデザインしただけなんだけど、僕にはどういうわけか、頭がおかしくなってしまったのか、梨華ちゃんが作ったように思えてしょうがないんだ。それに、このクッキーを全て食べちゃったら、バスツアーが本当に終わってしまうような気がするんだよ。嫌だよそんなの。ずっと終わってほしくないんだよ。