ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

その24 怯えながら生きる

 梨華ちゃんは曲の合間のMCでひめちゃん(愛犬)のお話をしました。正直言って、もうバスツアーが終わってから、まあ特製七夕クッキーもまだ食べていないしバスツアー日記も終わってないので僕の中では3分の1も終わっていないわけだけど、世間的にはもう終わったとみなされていて、それから4ヶ月が経っていますから、事前にメモしていたところ以外の細かい部分はけっこう忘れてしまっています。けれども、あなた、聞いてくださいよ。こないだ、バスツアーの模様が収録されたDVDが届いたんですよ。あの抱き合わせ的に他のイベントの模様も収録されたバカ高い代物ですよ。これを見たら、記憶が再び舞い戻ってきました。一つ思い出すと、周辺の他の記憶もモコモコと地下から浮上してきました。空から舞い戻ったり、地下から浮上してきたり、記憶さんも忙しいっていうか、神出鬼没っていうか、お茶目さんですね。届いたはいいけど、僕はそれから1週間は観ることができませんでした。勇気がなかったんです。一人で見る勇気が。だから友達と一緒に見ようと思って、DVDをカバンに入れて友達の家に遊びに行ったんだけど、いくら酒を飲んでも「ねえこれ一緒に見ない?」って言う勇気が出ず、DVDをカバンから取り出すこともないまま家に持って帰りました。ベロンベロンに酔っぱらっていた僕は、その勢いで一人で見ることにしました。しかし、DVDをカバンから取り出してPCのトレイにセットしながら、すでに泣きそうになっていました。涙で滲んで、うまくPCを操作することができませんでした。何がどのようになってこのような心の状態になっているのか、僕にはわかりませんでしたから、インターネットに助けを求めようと思い、ツイッターにそれとなく相談しましたが、インターネットの人たちは無言でした。僕自身にもわけがわからず、偉大なインターネットたちにもわからないということは、どっかの神さんにしかわからない人智を超えたことなんだと思い、あきらめました。だいたい、なぜ泣きそうになっているのかがわかったところで、きっと何も起こらない。理由がわかった上で解決できなものごとは、よけい僕を不安にさせるかもしれない。僕はベロンベロンに酔っていたこともあり、泣きべそをかきながら「ああ梨華ちゃん梨華ちゃんはどんだけ可愛いんですか?」と、数え切れないくらい画面に向かって質問してしまいました。DVDを見終わったあと、心の中で灼熱のマグマが渦巻いているかのような感じになっていた僕は、「本当に何なのあの人。可愛いの天才すぎる。僕を冷静にさせる魔法を誰かかけてほしいですね」と、またインターネットにそれとなく助けを求めましたが、魔法をかけてくれるインターネットはいなかった。インターネットは偉大だが、決して万能ではないことを痛感した。つまり、最終的には、自分で何とかしなければならないのです。僕は、梨華ちゃんにまつわるヘビーな感情やシビアな現実を自分で何とかしなければならない。自分で考え、行動し、解決しなければならない。でも、梨華ちゃんを好きでいればいるほど、僕の心は疲れてしまう。梨華ちゃんにまつわる幸福も喜びも、不幸も悲しみも、おそらく梨華ちゃんを好きすぎるために、僕の心を同程度に擦り切らせていく。そして自分で考えたり行動したりするパワーが削り取られていく。その結果、いつか何かしら決定的な出来事が訪れることを、ただ怯えた顔で待つだけの状態になってしまっている。こんなことではいけないと自分でもわかっているけど、どうにもならない。この日記を書くことしかできない。いつか終わりが来ることを肩を震わせて怯えながら。

 梨華ちゃんは歌の合間のMCでひめちゃんのお話をしました。ひめちゃんは梨華ちゃんの愛犬です。茶色くてもふもふしたとても可愛らしいワンちゃんです。僕も以前、ロッキーという名のシーズー犬を飼っていました。ひめちゃんは、ロッキーと同じくらい可愛いです。梨華ちゃんがブログにひめちゃんの写真を載せたりしたとき、「ひめちゃんは可愛いなあ! 僕も以前犬を飼っていました。ひめちゃんと同じくらい可愛かったです」という、ひめちゃんに対抗するようなコメントを書く傾向があります。「うちの犬のほうがかわいいわよ」「いーや、うちのほうがかわいいよ」みたいな罪のない言い合いを梨華ちゃんとしているような感じになれるからです。最終的には、「じゃあ引き分けってことでいいわよ」「しょうがないなあ、それでいいよ」ってなりたいです。そういうのが僕にとっての幸せです。すみません。

 梨華ちゃんは、ひめちゃんに会いたがっている風を出しているヲタたちに対し、「今日はひめちゃんは連れてきてません。だってひめちゃんがいたら皆そっちに行っちゃうでしょ? 今日は私の日なんだから、私を見てください」と言いました。それだったらむしろひめちゃんを連れてきてほしい、と思った。もしひめちゃんがいたら、ヲタのみんながツンデレみたいなことをするために、まずひめちゃんの方に群がるじゃないですか。そしたら梨華ちゃんが「まったくもう、やっぱりみんな、ひめちゃんの方にばっかり行くのね」って拗ねて、笑いが起こるじゃないですか。その後で、「梨華ちゃ〜ん、冗談だよ〜」とか言ってみんなが梨華ちゃんのところに行くじゃないですか。そこでツンデレが成り立つわけじゃないですか。笑いも起こるし万々歳ですよ。でも僕は空気を読まずに最初から梨華ちゃんに行きます。たとえ大きな笑いが起ころうとも、ふぁぼったーで赤ふぁぼがもらえようとも、僕は梨華ちゃんにはツンデレはできない。ツンのところで少しでも梨華ちゃんが悲しそうな顔するのを見たくないし、そもそも梨華ちゃんを目の前にしてツンデレという手の込んだ言動ができる自信がない。ツンデレは指原にだけしてれば十分だ。梨華ちゃんには最初から最後までずっと優しくありたい。とは言え、もちろんひめちゃんのことも好きです。ひめちゃんはすごく愛らしいし、梨華ちゃんの大切なものは僕にとっても大切です。梨華ちゃんとひめちゃんと僕とで、ぽかぽか陽気の代々木公園をお散歩したいです。僕はひめちゃんのフンを回収する役をやりたい。そんなのってきっと幸せなんだろうなあ。でもそんな幸せはきっと訪れることはないんだと思うと、心がしぼみ、視界がにじみます。