たけのこの里


 うっかりした。ホットカーペットの上に置いといたら、チョコ溶けちゃった。


 一つ食べようと思って取り出したら、もう一個ピタってくっついていた。たけのことたけのこが寄り添うようにしていて、とても仲が良さそうに見えた。離れ離れにしてしまうのはかわいそうに思えたので、くっついたまま、ふたつ一緒に口の中に放り込んだ。とても甘かった。


 最後に残ったたけのこは、誰ともくっついてはいなかった。溶けたチョコが、たけのこの涙みたいに見えた。君は、ひとりかい。寂しくて泣いているのかい。って話しかけたら、なんだかみじめで僕も泣けてきた。泣きながら、最後の一個のたけのこを食べた。涙とまざって、少し切ない味がした。


 そのあと、お酒をたくさん飲んでひどく酔いどれいなった。留年のこともまだ親に言えてないし、梨華ちゃんともどうにもならないしで、最善の選択はスーサイドなんじゃないかな、なんてことを真剣に考えた。でもどうせ死ねないだろうなって思った。僕にそんな勇気はない。


 何もかもがどうにもならなくて、涙しか出てこなかった。そしてベッドにもぐって泣きながら東京事変入水願いを繰り返し聴いた。そのうちにいつの間にか眠った。そんな素敵な夜でした。ていうか朝だった。午前8時ごろ寝たんだ。そんな時間まで何やってたんだっけ。そうか、娘。コンサートのDVD見てたんだ。ザ☆ピースで泣いた。好きな人が優しかった。僕の好きな人は僕に優しくしてはくれません。そんなことないのかな。よくわかんないやアイドルは。なんでアイドルなんかに恋をするのかな僕は。脳みそのさ、恋を担当する部分に電気ショックでも与えたい気分だぜ。