・僕が気に入ったのは、T内ではなく、初期の梨華ちゃんを彷彿とさせるおしとやかなKさんだった。でもリトル君と好みがかぶった。パッくんに「ふたりはブス専だから！」と言われた。いや僕は梨華ちゃんが好きなんだよ。だからブス専ではない。ただストライクゾーンが人並みはずれて広いだけなんだ。
・Kさんにメールを送ったら、返事が来た。次も期待してますと書いてあったんだけど、おそらく「次」はないだろうと思う。僕ももうメールは送らないだろう。なにしろリトル君は彼女のことが好きらしいしね。僕はそんなには好きじゃないんだ。Kさんと結婚したらそれなりに幸せになれそうな気はするけど、やっぱり梨華ちゃんがいいなあ。こんなこと言うのは馬鹿げてるってわかっているけどさ。現実から逃げてると言われれば、その通りなのかもしれない。アイドルを好きでいればある意味では楽だものね。決して嫌われることがないという意味においては。
・でもKさんのメールをなんども開いてニヤニヤしながら見ている自分がいる。
・ゆう君はメールの返事が来なかった。ゆう君がメールした相手は、T内。やっぱりだ。そんな奴なんだT内は。僕がさんざん罵倒したのは間違ってなかった。
・初めてだったんだけど、なんだかんだ言って、合コンというものは楽しかった。リトル君さそってくれてありがとう。僕の言動に何かまずいところがあったらごめんなさい。とにかく幹事おつかれさまでした。素敵な誕生日になりました。皮肉じゃなくてね。あんなに沢山のかわいい女の子に「おめでとう」と言われることはもうないと思います。まあ、彼女たちは全員、死んだ魚のような目をして僕にそう言ったんだけど。それでも嬉しかったよ。
・また何か思い出したら書き加えよう。
・リトル君いろいろとごめんなさい。Kさんはお任せします。僕は梨華ちゃんと結婚します。
