ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

美勇伝


 新曲がオリコン17位。美勇伝の凋落を食い止めるには、どうしたらいいのか僕は考えた。消去法でいったら、僕が電撃加入するしかない、ということになった。僕は冗談抜きで、アイドルの素質があると思う。


 まず第一に、かつて女子に大人気だった。中学時代には、「ふっち君ファンクラブ」が作られたほどだ(実話)。会員は僕の知るかぎり、2人はいた。その2人は僕を見かけるたびに、「あ、ふっち君だ、ふっちくぅぅん!」と、黄色い声援を上げた。僕はそれに対して、はにかんだ笑顔で応えた。彼女らは「きゃん、かわいい。ふっち君かわいい」と言って体をくねらせていた。でも僕はラブレターも貰わなかったし、告白もされなかった。義理チョコさえもらえなかった。どうしてだろう。まあいいや、とにかく僕はかわいかったんだ。たぶん今もかわいいんだと思う。


 第二に、僕はまだ汚れを知らない。女の子と付き合ったことがない。男と付き合ったことだってない。過去をほじくっても何も出てこない。将来的にも、付き合うことはないだろう。僕はファンを裏切らないよ、絶対に。アイドルでいるかぎり、ずっと童貞でいるんだ。


 第三に、これは重要なところだと思うんだけど、「ふっち」という親しみやすい愛称がある。愛らしい語感でしょう。でもそれだけじゃなくて、機能的でもあるんだよ。PPPHがしやすい。ふ〜っち、ヲイ! あと、コールしやすい。「この星は〜♪(ふっち!)美しい〜♪(ふっち!)」


 そんなわけで、僕は25歳にして、アイドルになることに決めた。美勇伝に新規加入する。僕のアイドル性をあますところなく発揮して、美勇伝を立てなおす。僕が、梨華ちゃんを救うんだ。