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石川梨華写真集「風華」 [DVD付]

　濃いピンク色のワンピースを着た梨華ちゃんが、タイの街の美しい夜景の中に佇んでいます。でもよく見ると、右足のかかとがサンダルから浮いている。どこかに向かって歩いているのかもしれません。足場が悪いわけでもない(アスファルト上にいる)のに、梨華ちゃんは俯いている。何かに悩んでいるのかもしれません。

　悩みがあったら話を聞くのになあ、一緒にお酒を飲みながら。梨華ちゃんの悩みを酒場で聞くことによって、僕の「梨華ちゃんとなかなか飲み友達になれない」という悩みも解消されるから、一石二鳥だ。なんなら、そのまま路上で一緒に飲んでもいい。もしこの写真の中に入り込むことができるなら、僕はコンビニで買ってきたキリン淡麗のロング缶を2本持って、タイの街に降り立ち、梨華ちゃんの肩を軽くたたき、「どうしたの？ 悩みでもあるの？ 話聞くよ？」と話しかけるだろう。でもドラえもんがいたりするわけじゃないし、そんなことはできない。俯いている梨華ちゃんをただ遠くから見つめることしかできない。どんなに写真に近づいても、梨華ちゃんは遠くにいるままだ。梨華ちゃんが俯いている理由が、「目の前の水たまりが気になる」という程度のものだったらいいんだけど。