飲み(3月15日に書いた)


 死にそびれた僕は家に帰って大宮対神戸の試合を観た。それから発泡酒とチューハイを飲んだ。いい感じに酔っ払って、「梨華ちゃん」という単語をいろいろな声色で口に出した。フィスパーボイスで呟いてみたり、ダンディな声で言ってみたり、さわやかな声で呼んでみたり、裏声を出してみたり。即興のメロディーにのせて口ずさんでみたり。それから僕の目の前に梨華ちゃんの像を創り出して、その梨華ちゃんに色々な表情をさせた。喜んだ梨華ちゃんと一緒に手をとりあって喜んだ。笑った梨華ちゃんと一緒に笑った。泣いている梨華ちゃんの頭をなでなでしてなぐさめて、「だいじょうぶ、僕がいるから、泣かないで」と言った。怒った梨華ちゃんに対しては、「ごめんね、僕がぜんぶ悪かったんだ、本当にごめん。僕のことを嫌わないでください」と平謝りに謝って、土下座をした。
 発泡酒を飲み終えたあたりで僕は何かに腹を立てて、色々なものを全力投球したくなった。携帯電話を壁に投げつけようと思ったけど、壊れたら困るのでやめた。僕は発泡酒の空き缶をつかんで、思い切り投げた。中に残っていた金色の液体が飛び散ってドアにかかった。おしっこみたいに見えた。


 午後9時くらいに、大宮駅の白木屋に行って遠方よりいらっしゃったTMCさんと飲んだ。10時くらいにTMCさんの友達のなぽさんが来て、3人で飲んだ。二人とも初対面だったので、僕はずっと緊張しっぱなしだった。飲んでも飲んでも緊張は薄れなかった。ごめんなさい、ごめんなさい、って何度も心の中で言っていた。
 なぽさんもTMCさんも気さくな人で、二人のコンビネーションはとてもよく、その会話は軽い漫才みたいだった。なぽさんはリトル君みたいで、TMCさんはark君みたいだった。ボケとツッコミ。僕はほとんど観客みたいになって、二人の会話を聞いていた。ファミリー席。最前。しかもたまに僕に話しかけてくれる。すごい。握手を求めそうになった。サインも欲しくなった。けど迷惑だといけないからやめておいた。


 午前0時くらいに笑笑に行った。焼酎を飲む。TMCさんは寝ちゃう。なぽさんとサシになる。ヤルかヤラれるか。そんな雰囲気がただよった。なぽさんは少し居心地が悪そうに見えた。僕が気のきいたことしゃべれないからだ。ごめんなさい、ごめんなさい、ってまた心の中で呟いた。


 午前2時すぎ、笑笑を出て、みなさんを僕の家に泊めることに。僕の臭くて汚い部屋にお二人が入った。めっちゃ散らかってた。恥ずかしい。梨華ちゃんの写真集『華美』がその辺に置いてあって、お二人がそれを手にとって見た。「見ていいんですか?」「どうぞ」僕はそれで100回近くリカニーをしていたので、なんか申し訳ない気持ちになった。正直かなり汚いんだそれ。まだかろうじてかかってはいないけど、まあ汚い。ちんこ触った手でページめくってるし、そこで活動しているあらゆる梨華ちゃんにキスをしてるから。


 午前3時すぎ、お二人はお眠りになった。僕も寝た。朝7時くらいにお二人は起きて、帰って行った。


 そのあと僕は大変なことに気付いた。なぽさんが寝たベッドの枕の下に、梨華ちゃんの3rd写真集を置いたままだった。僕はいつもそこで寝ているんだけど、梨華ちゃんの夢が見れるようにって、置いておいたんだ。見られてたら恥ずかしいな。あと、笑笑の代金も払うの忘れていた。ごめんなさい、ごめんなさい。