その13

 ベンチに座ってのんびりしたあと、噴水を見ました。左のほうに見えていた大きな長方形の噴水が急に暴れだしたのです。しかしそれはよく見ると、むやみに暴れているのではなく、決められた規則に従って大小の水を噴き出していました。大いなる噴水芸術でした。この噴水を梨華ちゃんと仲よく肩を並べて眺めるところまで、さきほどの妄想が続くはずだったんですけど、すぐに梨華ちゃんが消えてしまうという流れにどういうわけかなってしまったので、一人さみしく噴水を眺めることになりました。いくら妄想しようとしても、梨華ちゃんさきほどのようにリアルには現れてくれなかった。それはさきほどと違い、静止したjpg画像だったり、3倍で録画したビデオテープの映像のようだったりして、会話が成立する余地はどこにもなかった。噴水を一人で見ながら、携帯で写真を撮った。

 名古屋じゃなくても、立派な公園ならばどこでも見られそうな噴水なのに、それをちょっとワクワクしながら写真に収めた自分のことを、少しかわいいと思った。かわいいと言えば、僕は高齢童貞だけどそれなりにリア充なので、女とプリクラを撮ることが年に1回くらいあるんですけど、僕みたいなキモヲタでさえ、プリクラ写真ではめちゃくちゃかわいくなっているので震え上がります。アイドルとヲタがプリクラで写真を撮る、っていうイベントがあったらとてもいいような気がする。距離の近いアイドルが増えている昨今、そのような催しはもうすでにあるのかもしれないけど。アイドルとヲタの美醜の差が大幅に縮まり、できあがった写真を見てヲタが現実を思い知らされショッキングを受けることが少なくなるんじゃないですかね。

 少なくとも僕は、普通の写真だとウンコだけど、プリクラの写真なら、梨華ちゃんと並んでも釣り合える自信がけっこうあります。付き合ってたとしてもさもありなん、ナイスカップルなのでは?、お子さんが楽しみね、きっと可愛らしいお子が生まれるわよ、というような感想を皆様が抱くことになると思います。しかしこれは僕がかっこいいからではなく、すべてプリクラという文明の利器による結果なので、その感想にはほとんど何の意味もなく、気休めになる程度のものだと思います。

 話は変わりますが、僕は2012年7月7日〜8日の、梨華ちゃん八ヶ岳バスツアーに参加します(一人で)。そのため、この名古屋旅行日記を七夕の日までに終わらせる必要に迫られています。僕はもうすでに白川公園に4週間くらいいるような気がするので、そろそろ劇場に入りたいと思いますし、その後の名古屋城見物やメイド喫茶めぐりの件については書かないかもしれません。あと、名古屋旅行を終えてから今までに時間が経ちすぎているため、日記を書こうにも記憶が薄らいできています。無理やり思い出そうとすると、頭が爆発しそうになります。