僕のまぬけ顔


 二日連続で晩から朝まで働いたおかげで、昼を過ぎてもなかなか起きられなかった。今日中に住基カード申請しないと真剣にやばい。梨華ちゃんのディナーショー(27日)に参加できなくなる。でもずっしりと重い眠気が強情に居すわるものだから、だいぶ寝すごしてしまった。こういうときっておかしな夢を見るもんで、僕がリカニーを終えて放心状態になってるところへ親が闖入してきた。梨華ちゃんの写真集は開いたままだし、濡れたティッシュはほっぽりなげてあるし、どうしようもない状態だった。母親の顔は正体不明の微笑でうめつくされていた。実際にこんなことになったら死ぬしかないんじゃないかと思う。


 それでもなんとか午後3時、太陽が赤みをおびてくるころにやっと起きることができた。住基カードの申請に写真が必要だから写真を探した。あった。2ヶ月前にとったやつ。ひどくまぬけな顔をしてる。とりなおしたい。こんな写真で身分を証明したくない。だけど取り直したところではたしてまぬけな顔は治るだろうか? ひどくまぬけな顔から、わりとまぬけな顔にはレベルアップするかもしれない。光の加減とかで。でもどんなにがんばっても、まぬけという形容詞からは逃れられないだろう。梨華ちゃんが、かわいいという形容詞から愛されているのと同じように。僕はそう考えて、写真をとりなおすのはやめにした。