そして

 僕は晴れて無職というか、ニートというか、高等遊民に返り咲いた。やった。これで自由になったのだ。でも高等な遊民になったからと言って、とくに高等な遊びは思いつかなかった。とりあえず僕は寝ることにした。すやすや。何時間かして、起きたら、眠気がすっかりなくなっていて、だいぶ困惑した。寝ること以外に、なにかすることがあるだろうか。ああ、そうだ。リカニーがあった。僕は梨華ちゃんの写真集をすべて引っ張り出し、どれをネタにするかで悩んでみることにした。なにしろ時間は腐るほどある。30分くらいかけて悩んだのち、久しぶりに華美でリカニーすることにした。時間は掃いて捨てるほどあるし、ゆっくり時間をかけてリカニーをしよう。と思ったけど、梨華ちゃんの体がエロ過ぎたために、そして僕が梨華ちゃんを愛しすぎていたために、リカニーはあっという間に終わった。そこでいよいよ僕は窮地に立たされた。どうしよう。することがない。なんという手持ちぶさただろう。おそろしくなってきた。そうだ、こんなときの為に煙草があるんじゃないか。と僕は思い、とにかく煙草を吸い始めた。一本。二本、三本、四本、あいぼん。しかし、フライデーも卑劣なことするよな。思いやりってものがないよ。煙草吸ってるところ発見したんなら、その場で注意すればいいじゃないか。「私はフライデーのものだけど、未成年で喫煙はよくないな。いま、バッチリ写しちゃったけど、あいぼんの為を思って掲載はしない。その代わりと言っちゃなんだけど、今晩付き合ってくれないか」くらいにとどめるべきなんじゃないか。それを国中の晒し者にして痛めつけることはないだろうよ。バージニアスリムの2、3本でさ。これがハイライトとかセブンスターだったら大問題だけど、バージニアスリムだろ。大したことないよ。罪に対して罰が重すぎるんじゃないの。あいつらは汚い人間だよ、ほんとに。反吐が出るね。だから嫌なんだ。高度資本主義経済思想は。金が欲しいならくれてやるよ。21万しかないけど。なに、もっと欲しいの? じゃあ1月分の給料も、入ったら全部やるよ。でも、ちゃんと振り込まれるのかなあ。不安だなあ。僕はそういった不安を胸に抱えながら、空になった煙草の箱を握りつぶした。あーあ、煙草が切れちゃった。喫煙しかすることがないし、バージニアスリムを買いに行こうかと思ったけど、面倒くさかったのでやめた。白夜行も読み終わったし、なんだろう、僕はいったい何をすればいいのだろう。何ができるんだろう。ニートという職業すら、僕には勤まらないんだろうか。僕はニートとして第一の仕事である睡眠にとりかかることにした。これができなきゃニートすらクビになってしまう。そうなったらもう死ぬしかない。僕は目を閉じて、無心になって眠ろうとした。しかしどうしても眠ることができない。暗闇に梨華ちゃんの顔が浮かび上がってくる。それがピンク色の強烈な光を放つから、まぶしくて眠れないのである。やめてよ梨華ちゃん。りかりん、僕を苦しめないで。どうか僕に仕事をさせてください。おねがいです。すやすや。