墓参り

 いつか梨華ちゃんが入ることになるだろう墓(ふっち家の墓)を参ってきました。
 活力みなぎる甥っ子や姪っ子がお墓に水をかけたり拭いたりしていたので、僕の出る幕はありませんでした。隣の墓の前にぼんやりと突っ立っていました。お線香をあげたとき、特に何も祈りませんでした。
 その後みんなでお寺のところに行きました。そこには小さなお賽銭箱があり、姪っ子と甥っ子が楽しそうにお金を投げ入れています。父親が僕に目を留め、「お前もお祈りするかい。ほれ、お金」と言い、小銭を放り投げました。それは左の方に逸れたけれど、僕は左手を伸ばして何とかキャッチしました。「お! ファインプレー!」と父は言い、僕は不自然に笑いました。左手を開くと、そこには薄汚れた10円玉がありました。僕は賽銭箱から1メートルほど離れたところから10円玉を投げ、それは箱の上で2、3度はねてから中の暗闇に落ちました。僕は両手を合わせ、祈りました。梨華ちゃんと僕が結婚できますように。