誕生日飲み会

 4月10日が誕生日だったということで、おごってもらおうと思って、おごってくれそうな何人かにメールした。「僕の誕生祝いということで、一緒に飲みませんか。ぜひ来てください。もし来なかったら、メタメタのギッタギタにしてやるからな!」

 この脅しが効いたんだろう、5、6人集まった。馬場の居酒屋で飲んだ。まず年収の話が始まった。40を過ぎたあたりで、年収1000万になったら、まあ上々だよねっていうことだった。40を過ぎたら、ここにいるみんながそれなりに上々なステータスを築いているんだろうなと思ったら、とても切なくなった。僕は43歳くらいのとき、何をしてるんだろう。まだフリーターなんだろうか。自殺をやりとげていたら、まあ上々だと思うけれど、フリーターだったら切なすぎる。ボールペン製造工場のキャップをはめる人。もしくはマクドナルドのハンバーガーをどんどん紙に包んでいく人。あるいは道端のアルミ缶を拾ってそれをリサイクル屋に売る人。いずれにせよ年収は1000万の十分の一くらいではないのか。43歳の時点で、僕の年収は100万円。

 それから結婚の話が始まった。みんなあまり結婚はしたくないみたいだった。「結婚は人生の墓場ですよ!」と言う人もいた。積極的に結婚したいと思ってるのは、どうやら僕だけだった。だって僕は、梨華ちゃんと結婚したいんだもの。今すぐにしたい。心の準備はできてる。正直を言うと、僕がこんなに結婚したいと思うのは、梨華ちゃんを法的に束縛したいからです。もうがんじがらめにしたいんだ。二度とほどけないようにしたい。ちょうちょ結びなんか冗談じゃないぞという心境。固結びを700回は繰り返さないと気がすまないといった心境。結婚生活をどうするかっていうのは、まだよく考えてない。とりあえず、子供をたくさんつくりたいとは思う。だから、毎日たくさんエッチをする。一日4回はするつもり。最低でも、1年間で1000回はしなければならないと考えてる。だけど僕はまだ梨華ちゃんとは知り合ってもいないから、もしかしたら結婚できないかもしれない。そのことを考えると、とても切なくなる。梨華ちゃんが、たとえば他の人間と結婚したら、梨華ちゃんはそいつと年に1000回もエッチするんだ。僕はそれを、そいつが梨華ちゃんの乳首をくわえているのを、指をくわえて見ているより他にしようがないんだ。こんなのって恐ろしいよ。想像するだけで鳥肌が立ってしまうんだよ。

 居酒屋を出て、ark君の家に行って、また酒を飲む。それから、寝る。1時間くらいで目を覚ます。急に悲しくなってきた。ちっとも大げさでなくて、今世紀最大の切なさがやってきた。切なさのビッグウェイブ。僕はそのウェイブにどうしようもなく呑まれてしまった。涙が出てきた。どくどくという音を立てて涙が出てくる。まるで血のような涙だった。量的には、1リットルどころの騒ぎじゃなかった。ちっとも大げさでなくて、150万リットルだった。僕は切なさの理由がよくわからないまま、とにかく泣いた。梨華ちゃあん、切ないんだよおおお。