クイズ大会

 暗くて自分の席がどこだかわからず、黒服を着た怜悧そうな女性に席がどこか尋ねた。女性はちょう親身になって対応してくれた。僕はその女性の幸福を祈りながら自分の席へ向かった。
 着席してしばらくすると美勇伝の3人が現われて非常に興奮した。隣の見知らぬ人の首を両手でつかみ揺さぶって「おい! 梨華ちゃんがかわいいぞ! いったいどうしてくれるんだおい! 貴様!」と言った。
 というのはウソです。「非常に興奮した」までは本当の話です。
 美勇伝内クイズ大会が始まった。美勇伝の3人に対して、美勇伝の歴史に関するクイズが5問くらい出された。梨華ちゃんは1問しか正解できず、リーダーのくせに最下位だった。僕は、そんな梨華ちゃんのことをとてもお茶目だと思った。
 ファン対抗クイズ大会が始まった。「とある駅で、改札から出る方法がわからずにパニックに陥ったのは、美勇伝の3人のうち誰でしょうか?」という問題が出された。ファンが手を上げて、その事件の詳細について質問し、美勇伝の3人がそれに答えていった。手を上げる人はまばらだった。僕は恥ずかしかったので、いっさい手を上げなかった。
 改札から出られなくてパニックに陥ったのは、梨華ちゃんだった。スイカ専用の改札から切符で出ようとして、非常に困っちゃったらしい。そこにトレンチコートを身にまとった僕が現われ、
 「お嬢さん。どうやらお困りのようですね。ここは僕に任せてください」
 僕は切符が使える改札を華麗に通ってみせた。
 「お嬢さん、この通りです。つまり、こういうことだったのですよ」
 梨華ちゃんはぎこちなく改札を通って僕のところに来た。
 ( ^▽^)<ありがとうございます。なんとお礼を言ったらいいか。
 「お礼ですか? そんなものはいりません。人として当然のことをしたまでです」
 ( ^▽^)<そうですか……。あの、本当に助かりました。せめてお名前だけでも伺ってよろしいでしょうか。
 「なに、名乗るほどの者じゃあございません」
 ( ^▽^)<そうですか。無理には尋ねません。どうもありがとうございました。ではさようなら。
 「でも、どうしてもと言うのなら――あれ? ちょっと! お嬢さん! 待って!」
 ( ^▽^)<スタコラサッサ。早く行かないと遅刻しちゃうわ。
 「梨華ちゃ〜ん! 待ってよお〜! 僕の名前は、ふちりんって言うんだよおおお!!!」

 クイズに正解した者たちは、梨華ちゃんとジャンケンをした。僕は負けてしまった。生き残った11人にはサイン入りポラ写真が贈呈された。