催眠術師


午後9時ごろ起きる。
Leaderさんが午後11時ごろ帰ってくる。
一緒にごはん食べながら娘の番組を録画したビデオを見る。
ウッチャンナンチャンだったかな。正月の。
梨華ちゃんが映るたびに、僕は「梨華ちゃんきゃわいい」
って言ってたか、言ってなかったか、それが問題だ。


そう、催眠術師が、梨華ちゃんの顔面を手で押えつけて
グリングリンしていた。その催眠術師に僕は怒りと嫉妬を覚えたんだ。
なんで僕は催眠術師という職業を目指さなかったんだろう。
梨華ちゃんを催眠にかけて、僕の顔を見たら微笑むようにさせたい。
というかもう直球でいいかな。恋だよ。僕に恋をするんだ。梨華ちゃんは。
そんな催眠だよ。必要なのは。


あやしげな催眠術師の言うことに、「うん・・・」
とかなんとか色っぽい声色で返事をするんだ梨華ちゃんは。
とても従順なんだ。焦点の定まらないぼんやりとした表情をして、
なにかこの世のものとは思えないほどに美しいんだ。
僕はたまらない気持ちになったよ。
やはり恋をさせたい。僕に。僕は梨華ちゃんに恋をしているから、
あとは梨華ちゃんが僕に恋をしさえすればいいんだ。
催眠術師になればそれがかなうというのなら、
僕は催眠術師になりたいと思うんだ。


その後、午前3時ごろまで、Leaderさんとだべる。
僕はやっぱり梨華ちゃんのことばっかり考えていた。
僕は梨華ちゃんに関することしか考えたくないのだと思った。
どこでもどんなときでも誰が目の前にいても。
僕は自分で自分がおそろしいと思った。
やめたい。梨華ちゃんを好きでいることなんて、やめたい。
でも、やめられない。
僕はいったいどうすればいいんだ?