キスの話


 親族以外の他人とする初めてのキスをファーストキスと呼ぶのならば、僕のファーストキスの相手は、吉田君(実名)だった。そのとき僕は小学3年生だった。掃除の時間に、クラスメイトの吉田君とくちづけを交わした。


「ねえ、吉田君、キスしよっか」
「なんだよふっち君、キスだなんて、急にどうしたんだい」
「別に、どうもしないけど、なんとなくキスがしたくて」
「しょうがないなあ。僕と君の仲だし、じゃあしようか」


 っていう具合で、キスをすることになった。ファーストキスの味だけど、よく覚えてない。たぶん味はしなかったと思う。味がしたならはっきり覚えてると思う。イチゴ味でもメロン味でもなかったのは確か。とりあえず甘いものではなかった。味がしなかったのは、相手が吉田君だったからだろうか。男とするキッスは無味なんだろうか。まあ甘くてもそれはそれで嫌な感じはするけど。


 男の子としたキスは、吉田君が最初で最後。これから先はたぶん男とはキスしないと思う。ていうかしたくない。


 で、セカンドキスはいつだったか、誰としたか、今思い出そうとしてみたんだけど、ぜんぜん思い出せない。女の子とキスしたことはあったかなあ・・・。ない・・・なあ・・・。あれ・・・。ないんだ・・・。ないよ・・・。女の子とキス・・・してみたい・・・。甘いのかな・・・。吉田君とのキスより、甘いんだろうよね。甘いんだろ? たけのこの里とどっちが甘い?


 はぁ・・・梨華ちゃんとキスがしたいよ。ポスターの梨華ちゃんじゃ、もう満足できないよ・・・。