はてなかしまし物語::石川梨華さんモーニング娘。卒業


 ちょっとそこのお兄さん、そうあなた、鼻が鋭角で眼がギョロギョロしていてピカソの絵みたいな顔をしたあなただよ、寄ってらっしゃいな。なに、褒めてんだよ、ピカソって芸術だからね。あなた芸術がわからないわけじゃないでしょう。そう、いい笑顔だね、顔が歪んでいるね。いい意味で。まあ急いじゃいけない。人生は長いよ、あんたの糞と同じくらい長いんだよ、長い私を止めてくださいってね、これはこんこんだけど、今日あなたにオススメするのは何をかくそう石川梨華ちゃん。ご存知? ご存知でない? あらそれはもったいない話だ。梨華ちゃんを知らないなんて、人生損してるよ、まああんたはその顔で損してきてるんだろうけどね、やあ、怒らないで聞いて、この梨華ちゃんが居れば、その損したぶんは全部取り戻せるよ。幸せになれる。なにしろかわいいでしょう、この子。見つめてごらんなさい、そうです、恥ずかしがらなくていいの。5秒きっかり見つめると、梨華ちゃんは頬を赤らめて目を伏せるね、ほら赤くなった。可憐だね、大和なでしこ、ここにありなんだよ、あんたにはもったいないくらいだ。でもこれだけじゃない、面白いことを言ってごらんなさい。素敵なことが起こるよ、なに? さくら満開あそこも満開わたしのちんこはふにゃちんこ? ああダメだね、あんたセンスないね、しかもシモネタじゃないのそれ。そんなんじゃ、あら、笑った、見てごらん、梨華ちゃんがにっこりしたね、まあ愛想わらいかもしらんけど、とにかく絵に描いたような笑顔だね、こんな風に、面白いことを言うと、まあ今回のはギリギリだったけれども、笑ってくれる仕組みになってんだ。この、エロ目ですよ、への字。へのへのもへじも真っ青のね、はあ、かわいいね、おいこら何をしているんだ、触っちゃいけない、あんたは買うのかい? 買うんならいいけどね、今はまだわたしのものなんだから、触ったらいけないよ。さてこの梨華ちゃんだけど、たまにネガティブなことを言うんだ。そこは覚悟しておいてほしいな。「じゃあ私、本当にダメですね」とか言うこともある。繊細な心の持ち主なんだ、責任感が強くてね、すぐ悩んでしまうんだよ、そんな時は、そっと抱きしめてそっと口づ、いや、口づけはいけない、抱きしめるまでにしておいて、それで充分だから、なにしろファーストキスはまだだからね、この子は。あんたみたいな糞ピカソ兄さんに奪わせるわけにゃあいかねえんだ。そうそう、梨華ちゃんはたまにポジティブになる。いろんな面があるね、まあ人間だから、それは当たり前なんだけどね、あんただってそうでしょう、ふだんはゲヘゲヘ言いながらAV見てるくせに、かわいい女子の前ではかっこつけて斜め45度のすまし顔を見せるでしょう。まああんたは最良の角度から見ても残念ながらピカソだけどもね、いや褒めてんだよ、芸術的なまでにブサイクだねあんた、親の顔が見てみたいよ、怖いもの見たさだけど。だから怒らないでよ、怒ると余計みにくい顔になるからやめたほうがいいと思うね。そう、その顔。ダンディだね。え? 24歳なのあんた? 若いのにダンディだね、いや褒めてんだよ、40代の紳士然としたあんたに、梨華ちゃんは惚れちゃうかもしれんよ、にくいねえ、この色男! 色魔! ああ話それちゃったね、でも人生ってそんなもんでしょ、レールの上を糞真面目な顔して走っていたって何にもおもしろくないからね。まああんたの顔はおもしろいけどね。だから褒めてんだって、前衛的な顔なんだよ、時代を先取りしてんだあんたは。まあ先取りしすぎて誰も評価しないだろうけどね。とにかくね、梨華ちゃんはポジティブになると、明るくなるんだよ、ウザイくらいにね。でもちょっと待って、わかるだろ? ウザイのがかわいいんだよ、脈絡なく奇声を発したり、意味もなく変顔したりしてあなたにチョッカイを出すこともあるだろうけど、慣れれば、かなり味が出てくる。そしてあんたは梨華ちゃんという毒に冒されてくるね、間違いない。だってわたしもそうだからね。だから売ろうと思ったわけでね、離れられなくなるんだこれが、恐ろしいことに。ほら、いま変な顔してるよ見てごらんよ、かわいい子の変顔ってのは、実に魅惑的なものでね、ふり幅っていうのかな、心が天から地へと激しく揺さぶられるんだね、まあその揺さぶりが心地よくてさらに中毒症状が進んでしまうわけなんだけどね。どうです、あら、あんたも変顔してるね。もういいよ、疲れるでしょう、そろそろ通常の顔に戻っていただけませんかね、なに? もともと変顔だったの、こりゃ失敬、ふり幅も何もないんだねあんた。整形したほうがいいかもね、まあ焼け石に水という結果に終わるだろうけど。もっとひどい顔になったりしたら面白いね。そうだあんた整形失敗しなよ、顔にも人生にも起伏っていうものが必要だと思わない? 山あり谷あり、それでこそ生きる楽しみもあるってもんだ。まああんたは谷ばっかりだろうけどね、ご愁傷様。いや、怒らないで、褒めてんだから。谷をバカにしちゃいけない。何しろヤワラちゃんと結婚できるんだからね。まああんたにはヤワラちゃんがお似合いだよね。やあおもしろい。あんたの人生って意外とアリかもしれんな。ちょっと羨ましいよ。まあわたしが生まれ変わってあんたになったらすぐに自殺するけどね。胎内で自殺するね。死体となって取り出されるわ。あんたもそうしとけばよかったのに、馬鹿だなあ。親御さんもその時は泣いてくれただろうね。今あんたが死んでも誰も泣いてくれないやね、残念なことに。でも、だ、梨華ちゃんだけは泣いてくれるよ、優しいからさ。あんたみたいな糞みたいな男のためにも涙をぽとぽと落としてくれるんだよ、菩薩みたいな女の子なんだ。ああ、いい子だなあ、あんたに売り渡すのがもったいなくなってきたよ。どうしようかな、え? 梨華ちゃんに惚れた? どうしても欲しい? 金ならいくらでも出す? そうかい、心を決めたのかい。値段言ってなかったけど、ものすごく高いよ、それでもいいの? ああ、そう、値段はいくらかって言ったら、プライスレスだ。よく考えたら値段なんてつけられんことに気付いた、今。わるいね、どうも。梨華ちゃんはやっぱりわたしの手もとに置いておくよ、大丈夫、いやらしいことはしないから、まあ抱きしめたり、キスしたり、その程度だね。好きになったというなら、応援してやってよ。もうすぐ卒業なんだ。歌も演技もうまくなったし、将来は期待できるだろうよ。あんたの手には入らないけど、暖かく見守ってやってくれな。世の中思い通りにならないことはいっぱいあるんだ。あんたの顔がどうしようもなく醜いのと同じようにね。そういうのを、受け入れて生きていかなきゃならないんだね。辛いだろうけど、みんなそうして生きてるからさ、がんばろうぜ。今日は散々悪く言っちゃったけど、なんか好きになっちゃったよ、あんたのことが。いい顔してやがるぜ、きっと梨華ちゃんのおかげだな、醜いなりに、味が出てきたと思うよ。さてと、わたしは梨華ちゃんを持って帰るけど、悲しまないでくれよな。梨華ちゃんはきっとあんたのこと忘れたりしないから。あんたも梨華ちゃんのこと、忘れないでくれよな。じゃあ、あばよ、またいつかどこかで会おう。