握手の件


 で明日、ついに初めて梨華ちゃんと対面しそして握手というか、シェイクハンド、まあどっちでもいいんだけど、ああ、ここでドイツ語を織り交ぜられたら知的でかっこいいんだけど残念ながらドイツ語で握手をなんて言うのか知らない、まあとにかくハンドシェイクをするわけなんだけど、なんだこのくどい文章は、どういうつもりだ、読みにくいじゃないか、と、いうような文章を唐突に差し挟むから読みにくくなるんだろうが! 一行ですむだろ、こんなの。やりなおし。


 で明日、初めて梨華ちゃんと握手するんだけど。梨華ちゃんに何て言うかまだ決めてない。家族に「美勇伝の握手会に行くんだけど」と言ったら、


 母「あらそうなの、すごいわね、梨華さんによろしく言っといて」
 父「おおそうなのか、石川ちゃんによろしく言っといてくれ」
 兄「おいマジかよ、なめんなよお前、石川梨華によろしく言っとけよお前」
 兄嫁「え、マジで? 握手会とか超キモイんだけど。とりあえずミキティによろしく言っといて。え、ミキティいないの? 何、美勇伝て、ああ石川がいるの、知らなかった。じゃあ石川によろしく言っといて」


 お前らは梨華ちゃんの何なのかと。よろしく言うような関係じゃないだろうが。
「母と父と兄と兄嫁が梨華ちゃんによろしくと言っていました」って言うのか僕は。たぶん「母と父とあ」くらいで整理係の人に押し流されると思う。そんなのってあんまりだ。僕はこんな糞みたいな家族の言うことは聞かない。「梨華ちゃん、がんばってね」って、梨華ちゃんに負けないくらいのスマイルで言う。今、鏡のまえで予行演習したらすさまじく気持ちわるかったけど、とにかくオリジナルスマイル的な笑顔でがんばる。間違って「梨華ちゃん、ふんばってね」って言わないように、そこだけは気をつけようと思う。そんなわけで明日は、ニコちゃんマークが右胸についている紺色のTシャツを着ていきます。