ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

夏休み


 大学の9月卒業が決まったわけだけど、いまこの時は、果たして夏休みなのだろうか。9月の卒業式までグダグダしていていいのだろうか。それとも就職活動的なことをしたほうがいいのだろうか。その問題について、梨華ちゃんのポスターを眺めながら考えた午前9時。


 気がついたら枕を抱きしめて「あー梨華ぢゃ〜ん」とのたまいながらのたうちまわっていた午前10時。


 高校球児の汗のきらめきを尻目に梨華ちゃんの写真集から発せられる形容しがたいエロスのきらめきを眼球の奥に感じていた午前11時。


 思い出したように梨華ちゃんの携帯クリーナーを取り出して、とてもやわらかいそれを揉みしだいて、ぷにぷにを感じて、「梨華ちゃん・・・」と、溜め息交じりにつぶやいた午前12時。


 春日部共栄大阪桐蔭の試合を観ながら、テレビに映る青い空に梨華ちゃんの姿を思い描いた午後1時。


春日部共栄高校に応援メッセージが届いています。20歳の女性からです。球児のみなさんの頑張る姿には胸を打たれます。こころからのエールをおくります」20歳、女性? もしかして梨華ちゃんかな、と思い、共栄ナインに嫉妬をしたが、「ぜひ、埼玉に優勝旗を持ち帰ってください。とのこと。埼玉県の方ですね」梨華ちゃんは埼玉県の方じゃない、よかった、でも寂しいと、複雑な感情を胸に抱いた午後2時。


 3分の1の純情な感情、3分の1の純情な感情、と、早口で何度も何度も言ってみた午後3時。


 地元の春日部共栄が負けてしまって、思った以上に落ち込み、自らの郷土愛の深さに気付いた午後4時。


 もし梨華ちゃん以外の女の子に告白されたらどうしよう、僕はそれを受け入れるのだろうか、いやそんなことはない、誰でもいいってわけじゃないんだ、僕は梨華ちゃんがいいんだ、梨華ちゃんの姉でも妹でもダメだ、梨華ちゃんじゃないとダメだ絶対、ごめん、僕にはいま好きな人がいるんだ、そう言って断ろう、もし告白されたら、と、梨華ちゃんへの純情な感情を再確認した午後5時。


 煙草の最後の一本を吸って、そういえば僕は乳首というものを吸ったことがないなと思い、乳首を吸ってみたい、ああ梨華ちゃんの乳首を、黒くたっていい、じゃあ訊くが、なぜ黒乳首じゃダメなんだ? と、乳首に関する哲学的思考に没頭した午後6時。


 梨華ちゃんの写真集を開いて、梨華ちゃんはかわいいなあ、好きだなあ、ああなんでこんなに好きなんだろう、こんなに好きなのになんで報われないんだろう、僕ってなんて不幸なんだろう、涙が出てくるよ、と思ったんだけど、うまく涙が出てこなくて泣きたくなった午後7時。


 涙をひねり出すのはあきらめ、梨華ちゃんの写真集を横になって眺めていたら、いつの間にか眠ってしまった午後8時。


 夢の中で僕は梨華ちゃんと合コンしていたんだけど、梨華ちゃんは僕なんか眼中にない様子で、僕の隣の寡黙なイケメンの方ばかり見ていて、トイレに行ったときイケメンは僕に「ふっちは梨華ちゃんが好きなんだろう、俺のことは気にしないで、梨華ちゃんはふっちがゲットするといいよ」と言うんだけど、梨華ちゃんはやっぱりイケメンの方ばかり見ていて、ふと気がついたらイケメンと梨華ちゃんはいなくなっていた午後9時。


 目を覚ましたらペニスが勃起していて、それをちょっとイジってみたら気持ちよくて、そのことが色んな人に申し訳なくなって、特に梨華ちゃんに対して申し訳なく恥ずかしくて、「こんなものが! こんなものが!」と息子を折檻した午後10時。


 別にどこに出かけるというわけでもないけど、髭をそってみた午後11時。


 別に誰と話すわけでもないけど、歯をみがいてみた午前0時。


 せっかくだから髪型もととのえて、ポスターの梨華ちゃんに話しかけて、世間話の途中だというのに唐突にくちびるを重ねてみた午前1時。


 今週のハロモニをビデオで観て、ドクターコパと同じくらい黒い梨華ちゃんを見て、色黒の梨華ちゃんはエロくってかわいいなと思い、ドクターコパによれば、ねずみ年の梨華ちゃんはサル年の僕と結婚すると幸せになるらしく、僕はそれを聞いて踊りだしたくなるような幸福につつまれ、「梨華ちゃん、じゃあ、僕と結婚しようよ」って、プロポーズしてみたけど、梨華ちゃんは返事をしてくれなかった午前2時。


 明日はきっと充実した1日にしよう、でもきっとまた梨華ちゃんのことばかり考えてしまうんだろうな、なんという無意味な人生だろうと、くるくると果てしなく回り続ける時計の針を見ながら思った午前3時。


 梨華ちゃんの今日はどんな1日だったのかなあ、あんなかな、こんなかなと想像している今。