ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

働かざるもの食うべからず

 ガキの使いのビデオを見ようと思ってテレビをつけたら、いきなりこんな声が聞こえてきた。
 「ニートの青年が目の前にいたら、なんと言いますか」
 テレビ東京で、次の総理になりたい3人がいて、その人たちに青年が質問していた。
 僕はいわゆるニートだ。驚いた。テレビをつけたその直後に、こんな質問がなされるなんて。そしてなぜか少しウキウキした。

 さいしょの渋い声のおっさんは、額に深いしわを作って、「そういう人たちのために、必死で働いてる人たちの税金が使われるなんてことは、断じてあってはならない。ニートにもいろいろな人がいると思うが、結局は親に寄生しているということでしょう。そういう人が家庭に一人いても経済的に問題がないというのは、それだけ日本が豊かになったということかもしれません。しかしですね、その人を養うために、みんなが必死に辛い思いをしながら働いているのですよ。そのことをニートの人は理解するべきではないでしょうか」

 次の背が高いタレ目のおっさんは、「そういう人たちにも、いろいろ事情があるのかもしれません。心の問題をかかえている人もいるのでしょう。だから一人一人対応のしかたを考えなければいけないと思うのですが、とにかく朝ごはんを食べなさいと私は言いたい。(会場内の誰かが『やっさしーい』と声を出した。笑いが起こる)朝ごはんを食べることは脳にも良いですし、生活のリズムを作るのにも役立ちます。朝ごはんをたべないと不規則な生活を送ることになる。毎日だらだらとすごしてしまう。なかなかニート生活から抜け出せない。私は言いたいですね、まずは朝ごはんを食べなさいと」

 次のメガネをかけた地味なおっさんは、「そうですね、わたしも大学を出てから、自分探しみたいなことをして長い間ぶらぶらしていたことがあるので偉そうなことは言えないのですが、まず大事なのは生きる目標を見つけるという事ではないでしょうか。あなたのやりたいことは何なのか、ひとつ考えてみてはどうですか、と私なら言うと思いますね、その青年に」

 すべて思い出しながら書いてるので、細部の間違いはかなり多いと思うけれど、だいたいこんな感じのことを言っていた。僕の胸には最初の怖い感じのおっさんの言葉が深くつきささっている。痛い。ガキの使いを見ようなんて気持ちはオズの国まで吹っ飛んでしまった。もしかしたら僕には図書館で本を借りる資格すらないのかもしれない。というか、ないに違いない。だってあれには税金が使われているんだから。僕は、いったいどうしたらいいんだろう。背のたかいタレ目おっさんの言うように、朝ごはんを食べるようにしたら、いいのかな。しかしよく考えたら、僕には朝ごはんを食べる資格すらないんじゃないだろうか。働かざるもの食うべからず。最後になるけど、メガネおっさんの質問に答えよう、僕の人生の目標は梨華ちゃんと結婚することです。