クイズ大会

 僕はTBSの芸能人クイズ大会に出場することになった。会議室のようないくつかの部屋に分かれて予選会を行うらしい。
 まず最初の部屋には、デレシンおじさんやGK川口能活がいた。デレシンおじさんは可愛らしいコスプレをしていた。川口はかっこよかった。川口の大ファンである僕は、サインをもらおうかと考えたが、みっともないのでやめにした。愛しの梨華ちゃんを目を大きく見開いて探したが、梨華ちゃんはいなかった。
 次の部屋にも有名人がたくさんいた。目を皿のようにして探したが、梨華ちゃんはいなかった。
 その次の部屋に入る。パッと見た感じここにも梨華ちゃんはいないのでションボリしていると、誰かが手を振っているのが視界の隅に映った。うさちゃんピースの元祖、さゆみんだった。僕がさゆみんに気付くと、さゆみんは大げさな身振り手振りで梨華ちゃんがそばにいることを告げた。梨華ちゃんさゆみんの隣の隣にいた。僕には気付いていないようだ。梨華ちゃんを見ると僕の心臓は口から飛び出そうになるくらいドッキンコ! 僕が再びさゆみんに目を移して軽く頭を下げると、さゆみんはにっこりキラキラと笑った。「さゆみんは心の優しい子だ、僕の恋を応援してくれているんだな……。さゆみんの気持ちを無駄にしてはいけない。頑張らなきゃ! ふちりん、ファイトだよ!」と思った。席は自由だったので、出来れば梨華ちゃんの近くに座りたかったけど、梨華ちゃんから遠く離れたところにポツポツとしか席は空いていなかった。僕はしかたなしに右奥の方に進んでいき、遠藤章造の隣に座った。
 「どうもこんにちは、よろしくお願いします」と遠藤に挨拶をした。
 「あれ? ふちりんじゃん。元気? 最近どう?」遠藤は陽気に言った。
 「最近は、まあまあですね」
 「そういえば、お前に話しておくことがあってさ」
 「なんですか?」
 「こないださ、お前の好きな梨華ちゃんと某番組で一緒に司会したんだけどさ」
 「へえ、そうなんですか。うらやましいなあ」
 「打ち上げでちょっと一緒に飲んだんだけどさ」
 「へえ、そうなんですか。うらやましいなあ!」
 「酔った勢いで、お前が梨華ちゃんに惚れてるってこと言っちゃった!」遠藤は、ちろっと舌を出して言った。
 僕は遠藤の方に身体を乗り出してするどく睨んだ。
 「……はあ? 何言ってんの? 酔った勢いじゃねーよ。酔った勢いって言ったら何でも許されるとでも思ってんの? お前ほんと何なの? 死ぬの?」
 「死なねーよ。まあ怒るなよ。酔ってたんだからしょうがないだろ、心の狭い奴だなお前は。それでね、梨華ちゃんは、こう言ってたよ」
 遠藤は一つ咳払いをした。
 「えー、そうなの? ふちりんが? あーだからか。なんかいつも私のそばをふらふら歩いてるから気になってたけど、そういうことだったの。でも私、ふちりんは友達としては付き合えるけど正直ぜんぜんタイプじゃないな。まず私、バッハさんみたいな軽マッチョが好きなのよね。その点ふちりんは全然ダメ。だって軽マッチョじゃないもの。メタボリックでしょあの子。お腹ぽっこり出ちゃってさ。それとやっぱり私はバッハさんみたいなイケメンがいいの。ふちりんは確かに可愛いけど、イケメンからは程遠いものね」
 遠藤は裏声みたいな感じになってそう言った。
 「お前マジふざけんなよ遠藤……!」