その49 梨華ちゃんとのグループトーク

 グループ写真撮影会の次は、梨華ちゃんとのグループトークです。梨華ちゃんとヲタ7〜8人で長方形のテーブルを囲み、3分間のグループトークをするというもの。「たぶん僕は『へ〜! そうなんだ〜!』しか言えないだろうな」と思っていましたが、実際にそういう感じになりました。

 僕は幸運にも、梨華ちゃんに最も近い席でした。みんなが指定された席につくと、いわゆるお誕生日席に座った梨華ちゃんが、「実は今日、朝マックをしてきました!」と言いました。僕らのグループは、トークテーマを「実は…」に決めたので、梨華ちゃんはそう言ったわけです。でもなにぶん4年3ヶ月も前のことだから、記憶違いかもしれません。「実は今日、朝からレストランでステーキを食べました」と言っていたような気もします。しかし梨華ちゃんは、隣(右ななめ前)僕の目を見て突然、「マックでは何食べるの?」と尋ねました。それは確かに覚えています。そこから推理すると、梨華ちゃんが最初に言ったセリフは、「実は今日、朝マックをしてきました!」である可能性が高い。
 「マックでは何食べるの?」と訊かれた僕は、「え! あの、チーズバーガーです!」と答えました。その頃ほとんどマックに行ってなかったこともあり、脳が爆発しそうになりながら、そう返答しました。梨華ちゃんは遠くを見るような目で、「あー、チーズバーガーねー、おいしいよねー」と言いました。もし梨華ちゃんじゃなくて指原だったら、「普通かよ!」と厳しく突っ込むところだったと思います。梨華ちゃんは優しい。優しいのか? 優しい。

 この写真は、ファンクラブの会報に載っていたものです。僕の左半身が写っています。左半身を見るだけでも、ニヤニヤしているのが伝わってきます。「この写真は梨華ちゃんが選んだのでは? 梨華ちゃんの僕に対する『好きだよ!』という私信なのでは?」と思いました。

 また、この位置関係で梨華ちゃんを見ると、梨華ちゃんの姿しか目に入らないため、梨華ちゃんと2人っきりで山のレストランでモーニングデートをしているような錯覚におちいりました。
 梨華ちゃんは、テーブルの奥の方にいるヲタに話しかける際、テーブルの上に寝そべりました。そのヲタとの距離を少しでも近づけるためだったと思うんだけど、僕の目の前に、とても無防備な姿をさらす結果にもなっており、ドキドキしました。梨華ちゃんは目の前で寝そべり、顔を僕とは反対の方に向けている。「そんな無防備な姿をさらしちゃっていいの!? 僕のようなガチ恋ヲタクの前で!」と嬉しくも心配な気持ちになりました。やろうと思えば、梨華ちゃんの上に覆い被さることさえできそうだった。
 「これはもしかして私信なのでは? 『こんな無防備な寝そべりを目の前でさらしてもいいくらい、ふちりんのことが好きなの。早く気付いて!』というメッセージなのでは?」と思いましたが、僕はただドギマギしながら、梨華ちゃんがテーブルの上に寝そべっているのを見つめているだけだったし、その後、そのメッセージに応えるような言動もしませんでした。
 だから梨華ちゃんは、僕のことを諦めて、あるいは呆れてしまって、プロ野球選手のほうに気持ちを向けていってしまったのかもしれません。僕は梨華ちゃんの気持ちに、しっかり応えるべきだった。携帯にかかってくる非通知の電話にも、一つも残さず出るべきだった。今ではそう後悔しています。

 だけど今でも梨華ちゃんのことが大好きだし、できればお付き合いしたいです。週末にはだいたい大宮アイドール*1にいるので、気が向いたら来てください。一緒に楽しくお酒を飲みましょう。この前、テレビで言っていたみたいですね、「友達がいない」と。僕が梨華ちゃんの友達になります。

*1:大宮駅東口にあるアイドル育成型居酒屋&カフェ。