その50 アイスクリーム作りをする部屋で待機

 グループトークが終わった後、アイスクリーム作りをする部屋に戻りました。僕の目の前に座った人に、「梨華ちゃんとの距離が近すぎたから逆に困ってしまいました(笑)」と言ったら、「じゃあ俺と席を交換してくれればよかったのに」と怒られました。その人はグループトークの時、テーブルの一番奥、梨華ちゃんから最も遠い席に座っていたので、怒るのも無理はありません。無神経なことを言ってしまい、申し訳ありませんでした。

 アイスクリームを作るための部屋は、理科の実験室みたいな雰囲気でした。前方にはホワイトボードがあり、アイスクリームの作り方と、謎のポエムが書いてありました。


 アイスクリームの作り方は、おそらくこの牧場の人が書いたのだろう。ではこの謎のポエムは? 梨華ちゃんが書いたのかな? 可愛らしい字だし。でも「魔法使いアキット」と署名がしてある。魔法使いアキット? 一体誰なんだろう。梨華ちゃんが以前ドラマか舞台で演じていた役名とかだろうか。しかし、そんな役を演じたことあったっけ?
 それで今、グーグル先生に尋ねてみたところ、魔法使いアキットさん*1は、マジックを生業とする長野県の有名人らしいです。知らなかった。

 梨華ちゃんがヲタたち(100人弱)とのグループトークを終えるまでの間、同じテーブルの人たちと歓談しました。僕はほとんど喋らなかったと記憶していますが、僕の名札を見た人(さっき怒らせてしまった人)が、なぜホイミスライムが描いてあるのかと尋ねました。
 「ホイミが好きなんです」
 「どうせなら、もっと強い魔法がいいんじゃないの? ベホマとかメラゾーマとかさ」
 「ホイミの、ささやかに回復する感じがいいんですよ」
 そう答えたけど、あまり理解されませんでした。
 グループトークの時、梨華ちゃんは僕の名札をちらっと見たと思うけど、ホイミスライムについては触れなかったし、「ふちりん」という名前も呼びませんでした。ただ「マックでは何食べるの?」と訊いてきただけでした。梨華ちゃんホイミスライムのことを知らなかったのかもしれない。名前は、「ふちりん」ではなく「ふりちん」だと思ったのかもしれない。