その48 グループ写真撮影会

 八ヶ岳に細い雨がふったり止んだりしている中、牧場みたいなところにバスが到着しました。僕たち(100名弱)はまず、昔の小学校を思わせるような木造っぽい建築物の中に集められ、指定のテーブル席に座らされました。そして、梨華ちゃんとのグループ写真撮影会が始まった。僕らのグループは、わりに早い段階で呼ばれ、木造っぽい建物の外に出ました。“あずまや”みたいな建物の奥の方に、梨華ちゃんが笑顔で立っている。ヲタ7〜8人に囲まれている。カメラマンなどのスタッフも何人かいる。心の準備をする時間もほとんどないまま僕らのグループの番になり、梨華ちゃんの方へと歩を進める。梨華ちゃんの姿が少しずつ大きくなる。梨華ちゃんはかわいいなあ。なんて可愛いんだろう。好きだ。大好きだ! 今すぐ八ヶ岳の山の中に駆け落ちして、一生一緒に暮らしたい。

 僕の立ち位置は、梨華ちゃんから一番遠いところであり、視界の右端に梨華ちゃんの姿がぼんやり見えました。グッチャーのポーズをとろう、とグループで話し合っていたため、グッチャーのポーズを取る。カメラマンに「笑ってくださ〜い」と言われ、笑顔をつくる。しかし写真を見ればわかる通り、僕の笑顔はこわばってしまっている。中途半端に開いた口は、何を意味しているのか全く不明だ。梨華ちゃんの笑顔は、絵に描いたようなアイドルスマイルである。『1億回目のアイドルスマイル』という曲を作りたくなります(作りません)。のちにファンクラブの通販で買ったバスツアーのDVDでも、この場面が出てきました。

 僕がでかでかと写っている。僕のことを気に入っているスタッフがいるのだろうか。ごめん、僕は梨華ちゃんが好きなんです。でもうれしいよ。
 写真を撮った後は、そのグループのみんなで『梨華ちゃんとのグループトーク*1』のお題を考えることになっていたのだが、僕は梨華ちゃんと一緒に写真を撮ったことによって気が動転し、一人であらぬ方向へと歩いて行ってしまい、お題を考える会議に参加することができなかった。今でも本当に申し訳なく思っています。すみませんでした。

 しかも、あらぬ方向へふらふら歩いているうちに、カバンにつけていた梨華ちゃんのキーホルダー*2が何かに引っかかって落っこちてしまったらしく、好青年のヲタが拾ってくれました。僕は気が動転したまま「ありがとうございます」と礼を言い、梨華ちゃんのキーホルダーを受け取る。そのキーホルダーをしばらくぼんやりと眺め、ぎゅっと握りしめた。
 『梨華ちゃんとのグループトーク』において、どんなお題でトークをすることになったかについては、よく覚えていません。何しろ4年3ヶ月も前の出来事なので。運よく僕の席が梨華ちゃんの隣だったことと、朝マックの話をしたことは、よく覚えています。

*1:梨華ちゃんとヲタ7〜8人で、3分間お話するというもの。

*2:梨華ちゃんモーニング娘。を卒業するときに発売されたもの。