ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

ぐるり一周

最後、ハロプロの人たちがグラウンドの客席ぎわを一周した。その近さは、最前席の人が手を伸ばせば届くくらいだった。ファンの人たちは、彼女らを近くで見ようと自分の席を離れて前の方に群がった。僕はあまりみっともないことはしたくなかったし、10列目だったから十分近かったので、自分の席に座っていた。グラウンドをぐるり周って、梨華ちゃんが僕のそばに近づいてくる。周りのファンが立ち上がって手を振り出した。視界がさえぎられたので、僕も立ち上がった。梨華ちゃんがどんどん近づいてくる。僕の心臓は、壊れそうなくらいドキンドキンと大きな音をたてた。みんな手を振っている。叫んでいる。どうしよう。僕は、だって、梨華ちゃんをオカズにしているんだよ? リカニーとか言ってね。そんな僕が君に手を振る資格があるのか。この右手を、いつもナニを握っているこの右手を。それに、僕は最初からずっと、双眼鏡を構えて微動だにしていなかったんだ。そんな男がいきなり手を振り出したらおかしいじゃないか。東大生がいきなり「マ〇コ!」って言い出すようなものだ。恥ずかしい。恥ずかしい。梨華ちゃんが僕の目の前を通った時、僕と彼女の距離が10mほどしかなくなったとき、しかし僕は手を振った。振っていた。みっともなく、ニヤけた締まらないツラをしながら。何もないというのに。セックスなんかできやしないのに。デートだって。レスなんかもらったって哀しいだけなのに。梨華ちゃんは、僕の方を見て、手を振り返してくれた。ような気がした。目が合った。ような気がした。僕はとっても幸せになったよ。ぽわ〜んってなったんだ。フォークダンスで、好きな女の子と手を繋いだときのような、照れくさいけど、嬉しいような、そんな気持ちに。だからどうか、僕を刺殺してください。