ハロショ


 両目二重、シンメトリーのイケメンになった僕は渋谷へ行き、すれちがうイケメンではない人たちをかわいそうに思いながら、渋谷駅前の交差点を横断してハロショに向かった。


 日曜で、さらに横浜でハロプロコンサートがあるということもあってか、ハロショの店内はかなり混んでいた。僕は店に入るとすぐに、手さげカバンから昨日3時間半かけて書いたバースデーカードをすばやく取り出して、文章が書いてある方をまわりの人に見られないように下に向けて、バースデーカード専用ポストにできるだけさりげない風に差し込んだ。僕が梨華ちゃんに気色悪いメッセージを書いたという事実を誰にも知られたくなかったし、それをポストに差しこむ姿も見られたくなかった。好きな人のゲタ箱にラブレターを入れるときの気持ちって、きっとこんな感じなんだろうなと思った。


 それから僕は梨華ちゃんの写真を1500円分購入した。持ってない写真を全部買ったら3000円近くになってしまうので、貧乏な僕は、僕にとってこれはどうしても必要だと思われる梨華ちゃんだけを選んだ。「イシカワ リカ」という文字列がレシートにずらっと並んでいるのを見て、妙な誇らしさと、何ともいえない気恥ずかしさを感じた。


 店内にいたのは、好感がもてるとはお世辞にも言えないような風体の人ばかりだった(僕もそうだけど)。そんな人たちが、食い入るように写真を見つめては、その番号をメモしていた(僕もそうだけど)。梨華ちゃんは、この光景を見たら何て思うんだろうか。