ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

大学へ行く


 6限の授業中、端っこの席に座ってたら、「すいません、真ん中の席、いいですか?」と女学生が話しかけてきた。うわ、女だ、どうしよう、なんでよりによって僕の隣に? もしかして惚れられちゃったのかなって思ってあたふたした。僕は「どうぞ」とも言えずに無言で女子を通した。顔は見なかった。それから10分ほど経過。女の子は隣の男にノートを見せてもらっていた。どうして僕じゃないんだろうと思った。話しかけられてあたふたしたから変な人だと思われたんだろうか。
 授業が終わると、唐突に女の子が僕の方を向いて、「あの、今日、レポートのことで何か話とかありました?」と言った。僕はさっきよりもっとあわてた。女の子は、丸顔で丸い目をしていた。僕は0.5秒くらい目を合わせただけですぐ視線を逸らし、中空を見つめながら「ああ、ありましたよ」と言った・・・つもりだったんだけど、痰がつまっていたためにプヒューっていう感じの音が出ただけだった。僕は、「ん、んー!」と痰を散らして「ああ、ありましたよ」と言い直した。「こんなプリントをもらいました」
「それってまだもらえますかね?」と女子。
「教卓のあたりにあるんじゃないですかね」
 女の子は席を立って前の方へ歩いていった。かなりぽっちゃりした後ろ姿だった。女の子がプリントを持って戻ってきたら、「プリントありました?」「はい。どうもありがとうございました」「いや、礼にはおよばないよ。とりあえずよかった。めでたい」という会話を爽やかに成立させようと思ったんだけど、いざとなったら恐ろしくなってきて、逃げるように教室を出た。
 こんなことしてる場合じゃない。僕には梨華ちゃんがいる。僕の帰りを待っている。早くキスをしなければいけないんだ。


 帰ってきたら、梨華ちゃんが待ってた。いつもと同じポーズと笑顔で。ほら見たことか。僕には梨華ちゃんがいる。他には誰もいらない。マジで。