ふっち君の日記。

石川梨華ちゃんにガチ恋しているおじさんの記録

ふっちちゃんの日記。

 ある朝、ふっち君がなにか気がかりな夢から目をさますと、自分がふっちちゃんになっているのを発見した。いつものようにパンツの中に手を伸ばすと、そこには何もなかった。というか穴みたいなものがあった。ちんこがなくなって、そこに穴が掘られたようだった。誰がいつのまに掘ったんだろう。しかしよくよくまさぐってみると、それはただの穴じゃなくて、どうやらまんこらしいことがわかった。だってなんか気持ちいいから。ようしこれはオナニーするしかないなって思って、「梨華ちゃん、気持ちいいよ、梨華ちゃん」という声を出しながら穴の入り口付近にある小さな出っ張りをくりくりしてみたり、穴にずぼずぼ指を突っ込んでみたりした。でもなんか違和感があった。いつもと違う。ぜんぜんしっくりこない。そうか、いまいじってるのがちんこじゃなくてまんこだからだ。まあそうは思ったんだけど、しっくりこないなりに気持ちはいいんだし、とりあえずリカニーを続けた。しかしいつも感じるような脳味噌が一回転するような絶頂が、いくらまさぐっても訪れないから、僕はだんだんいらいらしてきた。もっと気持ちよくなりたいのに。どうやれば絶頂に辿り着けるんだろう。まんこをつかってオナニーするのは初めてだから、うまいやりかたがわからない。畜生、畜生、まだか、まだか。そうして白とも黒ともつかない灰色の快感を感じながら、永遠とも思える長い時間をすごした。終わりがなかった。区切りをつけるべきポイントはどれだけ続けても見つからなかった。日が昇りきって、窓から強烈な光が射しこんでくるにいたっても、僕はまだまんこの開拓を続けていた。

 僕のまんこがだんだん痛くなってきたころ、母親が部屋のとびらをノックして、「ふっち君、ごはんよ、まだ寝てるの?」と言った。そして母親は返事もきかずにとびらを開けて中にはいってきた。するとなぜか知らないけど、僕がふっちちゃんになっているのに気付いて、「あら、あなたどうして急にふっちちゃんになってしまったの?」と言った。
 「どうしてか知らないけど、女の子になっちゃったみたい」
 「男ばかり生まれて、女の子がほしかった私としては、嬉しい気持ちもあるんだけど、突然女の子になられてしまうと、それはそれで困っちゃうわね」
 「じつは僕も、ちょっと困ってるんだよね」
 「僕っていうのはおよしなさい。とりあえず、女の子が僕っていうのはおかしいわ。私か、もしくはあたしか、どっちかにしなさい。あと名前の問題もあるわね。あだなは、ふっちのままでいいにしても、名前のほうは太志では都合が悪いわね。ちょっと安易だけど、ふと子にする? さしあたって」
 「そうだね、ふと子でいいよ。さしあたっては」
 「そのしゃべりかた、おかしいわね」
 「そうだわね、ふと子でいいわよ」
 「そう、その感じ。やれるじゃない」

 僕はそれからカレーライスを食べた。女の子になったし、上品に食べなくちゃいけないなと思って、できるだけ上品な動作で食事をした。でもそれはそんなに大変な作業ではなかった。僕はふだんから食事作法には気をつかっていたからだ。いきなり女の子になったって、特に問題はない。

 食べたあと、洗面所に行って歯を磨く。ふと鏡を見てみると、そこにはふっちちゃんがいた。どうみてもふっち君じゃなかった。ふっちちゃん以外の何ものでもない。女の子にしてはちょっとヒゲが濃いけど、可愛らしいと言えなくもない顔だ。どうせなら、梨華ちゃんみたいな可愛い子になりたかったけど、まあしょうがない。ブスじゃなくてよかった。とりあえずヒゲをそって、髪型をととのえる。いつもは放置してる眉毛も、梨華ちゃんを参考にして整える。そうしたらだいぶ見ちがえた。あやうく惚れそうになった。自分が自分に惚れるなんてありえない。でも僕はある意味ふっち君だし、別人であるふっちちゃんに惚れても、特におかしな話ではないんじゃないかと思った。しかし僕は結局ふっちちゃんには惚れなかった。なぜなら僕が好きなのは、梨華ちゃんだけだからだ。

 僕はまたベッドに戻り、ふとんの中でリカニーを始めた。まだ僕はことを終えていない。射精的なことをしなければ、リカニーをしたという気がしない。僕はなんとかして絶頂に達しようと、穴の中のいろんなところを、いろんな角度やさじ加減でまさぐってみた。けれど漠然とした快感が、のっそりとした動きを見せるだけだった。絶頂みたいなものはその影すらも窺えなかった。そのうち僕は、穴にこだわってるからイけないんじゃないかと考え始め、そうして初めておっぱいの存在に気付いた。胸にかすかなふくらみがある。灯台下暗しだった。おっぱいが微乳すぎたためにそれまで気付かなかったのである。僕はポケットに入れたまま忘れていた500円玉を発見したときのような気持ちになり、嬉々としておっぱいを揉み始めた。乳首の色は残念なことにピンクではなく、男だったときと同じ色だった。要するに茶色かった。それでも黒じゃないだけまだましだとおもい、乳首の色についてはこれで満足することにした。問題はむしろおっぱいの大きさにあった。小さいのだ。たぶん梨華ちゃんより小さい。俗に言うちっぱいである。揉んでみても、あんまりおっぱいを揉んでるという感じがしない。押してるっていうほうが、表現として近いような気がする。でも、小さくてもおっぱいであることに変わりはない。とりあえず僕は小ささについてはあとで時間をかけてじゅうぶん悩むことにして、とにかく目の前のリカニーを終わらせようと思った。おっぱいを揉んで、もしくは押したりして、乳首をコリコリした。おっぱいを触るのは、小学3年のときに母親のおっぱいを冗談で揉んだとき以来だった。彼女なんていままで一人もできなかったから、それ以降おっぱいを揉む機会がなかった。僕は小さいながらも、おっぱいというものを再び触ることができて、言いようのない感動を覚えた。やわらかいなあ。梨華ちゃんのおっぱいも、こんな感じなのかな。梨華ちゃん。僕はまんPのGスポットを探しながら、梨華ちゃんのおっぱいを揉んでいるつもりで自分のおっぱいを揉んだ。そのうち、ある衝動が僕を支配した。乳首をなめたい。乳首をちゅぱちゅぱしたい。いつも羨ましく眺めていたAV男優のように。僕は自分の乳首を口にくわえようと、必死にがんばった。首を、根元からちぎれそうになるくらい下に傾げて、おっぱいを、皮膚から剥がれそうになるくらい上に引っぱった。でも、もうちょっとのところで舌が届かなかった。畜生、もうちょっとおっぱいが大きかったら。せめてBカップあったら、届いたに違いないのに。目の前にあるのに、舐めたりくわえたりできないなんて、こんなにひどい話はない。僕は、納得がいなかったけど、無理なものは無理なので諦めることにした。おっぱいのまさぐりとまんこのまさぐりだけでリカニーを続けた。でもおっぱいの快感はあまり決定的なものではなかった。2歩か3歩は進んだけれど、絶頂への道のりはまだまだ遠いように思われた。僕はだんだん疲れてきた。まんこはひりひりするし、乳首の皮には血が滲んでいた。やめたいと思った。でも僕はどうしてもリカニーを終わらせたかった。やめるわけにはいかない。僕がどこかに辿り着けるとしたら、それは性的な絶頂だけなんだ。僕はどこか漠然とした空間に宙吊りになったまま、どうにかして確かなものを見つけようと、これでもかこれでもかとまさぐりを続けたが、やがて疲れきってしまい、知らぬ間に眠りに落ちた。